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公開日:2022.10.03 更新日:2024.02.213305view

植物のチカラを活かして内と外、両面から肌を磨こう!

漢方であなたを応援vol.6「漢方美容」

空気が乾燥する秋冬のダメージ

秋分を過ぎて、すっかり秋めいてきました。
皆さんが肌で感じている通り、秋から冬は空気が乾燥します。
漢方では、草木も枯らすこの時期の空気を「粛殺(しゅくさつ)の気」と呼んでおり、様々な不調を起こす原因と考えます。

□ 肌が乾燥して痒くなる
□ 目元や口元、手の甲のシワが増える
□ 髪の毛がパサつき、抜け毛が増える
□ 鼻やのどが乾く
□ 空咳が出る
□ かぜをひきやすい
□ 大腸が乾いてコロコロ便になる

肌は内臓を映す鏡、内側から潤す

漢方では「肌は内臓を映す鏡である」と考えます。
生活リズムが乱れて睡眠不足気味、精神的なストレスが多い、食事内容に偏りがある、便秘やむくみがあり代謝が落ちているなど、体内の様々な理由から肌トラブルに発展します。

まずご自身の生活状況の見直しから始めましょう。
内側から肌を潤すための3つの食養生をご紹介しますので、ぜひ取り入れてください。

①旬の果物やドライフルーツで潤い補充
梨やブドウなど水分の多い果物は、酸味と甘味のバランスがよく、潤いを補うのに有効です。
クコの実やナツメ、プルーンや黒豆など、赤色や黒色の食材が栄養と潤いの液体「血(けつ)」を補います。

②ナッツ類で植物性の油をとる
クルミやアーモンド、ゴマなど食物繊維と油が豊富なナッツは、肌だけでなく大腸の潤いも補って便秘を解消してくれます。
ハチミツ漬にしたナッツとクコの実をヨーグルトにかけていただくのも、手軽でおすすめです。

③白い食材で肺の潤いを補う
梨や白キクラゲ、レンコン、白菜、カブなど、白色の食材は秋に乾きやすい肺を潤します。
白キクラゲをハチミツで甘く煮て、すりおろした梨を加えると、肌とのどを潤す手軽なデザートになります。

肌の外側から、水分を補い油分で覆う
肌を外側からケアする時に大切なのは、水分と油分を使うこと。
まず化粧水で水分をたっぷり補いましょう。
人々は昔から、植物の力を化粧水にも込めて活用してきました。
あせもが気になる時にはモモの葉、吹き出物が気になる時はドクダミの葉、炎症が強い時はオウバクの樹皮、乾燥が気になる時はトウキの根など。
現代でも応用しているものがあるので参考にしたいですね。

化粧水の後は、補充した水分が蒸発しないように、乳液やクリームなど油分で蓋をするのを忘れずに。
顔や手はもちろんのこと、首から胸、脚のすねやかかと、二の腕など、秋冬は衣類で隠れた部分も乾燥しがちです。
ボディーミルクを活用するとよいでしょう。

身体の潤いは心の潤いにもつながります。
夜が長く気分が鬱々しやすい秋冬だからこそ、両面からの潤い補充で自分を盛り上げましょう。

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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