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公開日:2022.10.01 更新日:2022.10.134810view

プチうつにならないために!今からできる漢方養生

プチ不調は自分でカイゼン Vol.42

気温差や気圧差で体調を崩している方いませんか?

夏の消耗が回復しきれていない方ほど、体調は崩れがちになります。

以下の症状に心当たりがある方は、早めの対応を心がけ秋冬を快適に過ごしましょう。

□身体が重だるく、やる気がおきない
□とにかく眠い、寝ても疲れが取れない
□立っているだけで強い倦怠感
□気分の浮き沈みが激しく、怒りや悲しみの感情が現れやすい。
□夕方から夜にかけて気持ちが不安定
□天候(気温、湿度、気圧)に体調が左右される

漢方養生ではこの時期、五臓の肺をケアします。
肺が乱れると、悲しみや憂いの感情が出やすくなるのが特徴です。
また、乾燥に弱いので、のど、声、咳、鼻など呼吸器のトラブルや、皮膚のトラブルが起きやすくなります。

このようなときによく使われる漢方薬を紹介しましょう。

【抑肝散化陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)】
体力中等度をめやすとして、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:
神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症(神経過敏)、更年期障害、血の道症、歯ぎしり

【加味帰脾湯(かみきひとう)】
体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの次の諸症:
貧血、不眠症、精神不安、神経症

※上記の漢方薬は一例です。専門の相談薬局で体質にあった漢方薬をご利用ください。

プチうつ予防!セルフケア法

◎耳マッサージ
耳の後ろにホットタオルや温かいペットボトルを当てたり、日頃から耳を冷やさないようにすること。また、両耳をつまんで上下、横に引っ張ったり、つねったりします。耳の周りの血流のほかリンパ液の流れをよくします。
特に、天候に体調が左右される方(気象病)におススメですよ。

◎単純運動で身体を動かす
心が乱れた時は、何も考えずひたすら歩く!
単純な繰り返し運動で心を整えます。
腕を振っての足踏みや踏み台を使っての昇降運動でもOKです。適度な有酸素運動で汗をじんわりかくことで気が整います。

◎潤いチャージに白食材
白ごま、白きくらげ、松の実などの白食材は、肺を潤します。
特に、百合根とハスの実は精神安定の働きがあるのでおススメですよ。

◎規則正しい生活が効果的
決まった時間に起床する、朝食を取る、適度な運動、十分な睡眠、入浴など規則正しい生活を送るようにすることです。生活が整うと気持ちも整います。
また、いらないものを整理すること、気の巡りがよくなりますよ。

◎自分の体調を記録しておく
手帳やカレンダーに印を付けたりスマートフォンのアプリなどを使って簡単なメモをしておきましょう。その時の天候や出来事、食べたものや、生理周期なども記録すると、より傾向がつかめやすいですね。

金針菜で巡りアップ!

金針菜は、ユリ科に属する植物の花の蕾です。写真のように乾燥した状態で売っています。
ぬるま湯(水でも可)戻し適当な大きさに切って使います。スープやお味噌汁、炒め物などに幅広く使えますよ。

金針菜は、心配事や憂鬱なことをすべて忘れてしまう作用があることから、「忘憂草(ボウユウソウ)」とも呼ばれています。

期待される働きとしては、
・イライラや緊張をほぐす
・憂鬱な気分に
・むくみの解消
・貧血の防止
栄養成分も豊富で、特に鉄分はほうれん草の20倍もの量を含んでいます。
どれをとっても、うれしい働きですね。

金針菜の働きについては、Youtubeでも解説しています。是非ご覧ください!
憂鬱な時は試してみて!鉄分はほうれん草の20倍!金針菜【薬日本堂漢方スクール】

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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