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公開日:2021.07.05 更新日:2021.07.151097view

あなたはどちら?2つの不眠改善にハスの実を

季節を感じて気軽に薬膳 vol.7

梅雨明けが近づき気温が上昇する「小暑」
二十四節気の小暑、その名の通り、梅雨明けに伴って少しずつ暑さが増してくる時季です。
よしずをかけたり、夏用の衣類を整えるなど、夏を快適に過ごすための準備期間ともいえます。

昨年に引き続き、今年の夏もマスクが欠かせませんが、マスクをしていると口の渇きを忘れがちです。
こまめに水分補給をして熱中症対策も心がけましょう。

心の不調をやわらげるハスの実
「早く寝ないといけないのに眠れない…」なんて経験、ありませんか?
眠りは心身の疲れを解消して明日への活力を補う大切な要素です。

漢方では、血の循環と精神活動を担う五臓の心(しん)が眠りに関与していると考えます。
心に不調があると睡眠にも乱れが生じます。

今回は心の不調である不眠によい和漢食材、ハスの実を紹介しましょう。

漢方では、不眠を大きく2つに分けて考えます。

1つ目は眠るための力が不足していることにより起こる不眠です。
□疲れていて眠いのに眠れない
□うとうとするのにしっかり寝入ることが出来ない
□貧血傾向で顔色がさえない
□物忘れが多い

2つ目は怒りや夏の暑さなど、熱で心が興奮しているために起こります。
□目がさえて眠れない
□暑さで寝苦しくて眠れない
□目の充血や舌先の赤みがある
□イライラして怒りっぽい

漢方薬はそれぞれの体調や体質によって異なるものが選ばれますが、安神(精神を安定させること)効果のあるハスの実はどちらのタイプにも有効です。
ちなみに、ハスの葉は荷葉(かよう)という水巡りをよくする生薬、ハスの根は咳止めによいレンコン、ハスの根の節は藕節(ぐうせつ)といって止血作用がある生薬です。
余すところなく使えるハスは、とても優秀な植物です。

ハスの実を使ったデザートとスープ
「眠いのに眠れない」タイプは、心に栄養を送る血(けつ)を補って改善します。
ハスの実に気血を補うナツメを合わせた甘煮を食後のデザートにどうぞ。
ハスの実50gは一晩水に浸けておき、乾燥ナツメ80gと蜂蜜大さじ2杯とを合わせて、水300ccでやわらかく煮込めば出来上がり。
冷蔵庫で1週間ほど保存できます。

「目がさえて眠れない」タイプは、心の熱をさますことで改善します。
夏の旬食材である苦瓜と、乾燥あさりを合わせたスープは、すっきりとした苦味で心にこもった熱をさまし、気分を落ち着かせてくれます。
ただし、冷やす力が強いので、お腹が冷えやすい方はおろし生姜を少量加えるとよいでしょう。

【材料】2人分
ハスの実 10g
苦瓜 60g
水 400cc
コンソメ 小さじ1
塩・胡椒 少々

【作り方】
①一晩水に浸けておいたハスの実と、水を鍋に入れてやわらかくなるまで煮込む
②薄いいちょう切りにした苦瓜とコンソメを加え、ひと煮立ちさせたら、塩・胡椒で味を調える

【薬膳食材メモ】
ハスの実(蓮肉):元気を補い精神を安定させる安神効果がある
苦瓜:心にこもる熱を冷まして渇きを解消する
ナツメ(大棗):気血を補い精神を安定させる



齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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