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公開日:2021.06.15 更新日:2021.07.145552view

舌の大きさは何を基準に診るの?

舌は口ほどに物を言う ~舌診の話 Vol.5

舌は大きいですか?小さいですか?
前回、身体がむくむと同様に舌もむくみ、大きく厚みのあるぽってりとした舌になるというお話をしました。( 舌は口ほどに物を言うVol.4
舌は身体の状態を映し出す鏡なのです。

ところで舌の大きさは、何を基準に判断するのでしょうか。
下のイラストを比較してみましょう。

舌の大きさは、自分の口角の幅を目安に診ます。
身長が人それぞれ異なるように、舌の大きさもひとりひとり異なります。
誰かと比べるのではなく、自分の口角の幅とだいたい同じくらいの幅が、その人にとってちょうど良い大きさです。

イラスト中央が健康的な舌の大きさです。
左のイラストは、口角からはみ出ていて大きく、右のイラストは口角の幅に比べて小さいですね。

舌の大きさは何をあらわしているか
体型を例にとると、身長に対しその人にとって健康的な体重や体格があり、バランスが大切です。
口角の幅と同じくらいの舌というのは、バランスがとれている健康的な状態、つまり体力が充実している、あるいは体力に対して活動と休息のバランスがとれていることをあわらします。

口角の幅より大きいのは、むくんでいるイメージで、前回紹介した「胖大(はんだい)」がこれにあたります。
水分代謝不良や冷え、疲れやすいなどの不調があると考えられます。

口角の幅より小さい舌は、身体でいうと痩せているイメージです。
私たちの身体は栄養状態が良ければ肉付きがしっかりして、栄養不足だと痩せます。
小さな舌は身体が虚弱であることをあらわしています。

小さい舌は気血不足
栄養とは、漢方でいう「気血」をさします。
私たちの身体は「気血水」で出来ていると考え、身体をつくり、動かし、温めるなど様々な生理機能を営むもととなる主な力が「気」と「血」です。

小さい舌は、その人のもっている気血の量が少ないことをあらわし、体力があまりない状態や虚弱な体質であることなどがわかります。

舌の幅が小さく、横から見ると薄い。
このような“痩せて薄い”形を舌診の用語では「痩薄(そうはく)」といいます。

そして、気血不足の状態では舌が小さくなるほか、ひび割れが生じることも多いです。
「舌にひび割れがある」、舌を観察して多くの人が気になることのひとつです。

次回は舌のひび割れについてお話しします。




飯田 勝恵
飯田 勝恵 - Katsue Iida[薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師]

静岡県立大学薬学部卒業。1998年薬日本堂入社。約10年間の臨床と店長を経験。店舗運営や相談員教育などに携わり、その後「自然・人・社会に役立つ漢方の考えをより多くの人に伝えたい」と講師として活動。薬だけではない漢方の思想や理論に惹かれ、気功や太極拳、瞑想なども生活に取り入れながら漢方・養生を実践している。

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