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公開日:2020.09.10 更新日:2020.09.103770view

肌も呼吸器もプルプル!「ソルティ梨ゼリー」

未病を癒す美養生 Vol.9

夏に失った潤いは今から補充

9月に入り、朝晩の暑さが幾分和らいできました。でも、今年は残暑が長引くとの予報も。過ごしやすくなる秋口ではありますが、気を緩めず、楽しみながら養生したいものです。

東洋医学では、秋は乾燥の季節とされています。しかし、最近は、大型台風が襲来したりして、9月、10月は梅雨時以上に降水量が増加しています。
では、体はどうなのでしょう。いくら秋の長雨があろうと、やはり、これからの季節は乾燥対策を行うべきだと私は考えます。なぜなら、秋の体は厳しい夏の暑さを乗り越えてきたから。きちんと水分補給していた人でも、夏は発汗とともに気(き)・血(けつ)・津液(しんえき)が損傷。潤いも、潤いを生み出す力も低下しているのです。

特に今年は、新型コロナウイルスの感染予防が大切な年。鼻やのどの呼吸器粘膜が乾燥すると、ウイルスに対するバリア機能が低下してしまいますから、夏に失った潤いは今のうちにしっかり補う必要があります。そこで、健康にも美容にもいい潤い補給の食養生を!

梨とゼラチンで内側から潤す!

一押しの食材は今が旬の梨です。梨は、秋口の潤い対策に非常に効果的。中医学では、のどの乾燥や咳、咽頭炎などの治療に「五汁飲」という薬を使うのですが、その中には蓮根、慈姑(くわい)などの搾り汁とともに梨汁が使われます。みずみずしい梨は、こもった熱を冷まし、失われた潤い成分を補う薬膳食材。これからいろいろな品種が出回りますから、おいしく食べながら潤い補給したいですね。

今回ご紹介するのは、クラッシュした梨を使った「ソルティ梨ゼリー」。潤いを補い、呼吸器粘膜の乾燥を防ぐ梨に、肺を潤し咳止め効果もある蜂蜜を加え、さわやかなゼリーに仕上げました。塩を一つまみ加えると、発汗で失われたミネラル分を補えます。ゼリーは、寒天やアガーではなく動物性のゼラチンを使用するのがカギ。ゼラチンはコラーゲンの塊ですから、夏疲れでしぼみがちな肌に、ハリ・弾力を与える効果が期待できるでしょう。

ゆるめのゼリーにすれば、冷蔵庫で冷やして「飲むゼリー」になります。今回は杏仁豆腐にのせてみました。咳止めにいいとされる杏仁(きょうにん)との組み合わせは、乾燥の季節の粘膜ケアに最適! 好みのフルーツをのせれば、贅沢な薬膳スイーツになりますよ。

【材料】 (作りやすい分量)
・梨…1個
・レモン汁…大さじ1
・はちみつ…大さじ1
・グラニュー糖…15g
・水…適量
・粉ゼラチン…5g
・塩…ひとつまみ

【作り方】
①梨は皮をむき、芯をとってミキサーにかける(すりおろしてもよい)。粉ゼラチンは少量の水でふやかしておく。
②①に水を加えて500mlにし、レモン汁、蜂蜜、グラニュー糖、塩とともに鍋に入れる。弱火にかけ、かき混ぜながらよく溶かす。
③火を止めてからふやかしたゼラチンを加え、混ぜ合わせる。
④粗熱がとれたら。冷蔵庫で冷やし固める。



岡尾 知子
岡尾 知子 - Tomoko Okao

漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師、鍼灸師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。はり師・きゅう師の国家試験に合格し、鍼灸師として東京の「池袋ひりゅう鍼灸院」で臨床にあたっている。詳しい情報は「LOTUS(ロータス)薬膳教室」「薬膳ノート」で検索を!

◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/

◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com

◎ブログ「Eat & Run! 岡尾 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/

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