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公開日:2020.01.25 更新日:2020.05.014226view

滋養と温めで風邪対策「豚肉のスパイス煮込み」

家族の薬膳 〜家族を守るママの養生 Vol.8〜

個食を防ぎつつ生姜をとる工夫

二十四節気では「大寒」となり、寒さも一段と厳しくなりました。2020年最初のママの養生です。
この時期、朝起きた時もまだ暗く寒いので、「寒い」と逃げる子供をなんとか捕まえて着替えさせる日々なのは、我が家だけではないはず。寒さに負けず、今しか出来ない雪遊びをしたり、お味噌の仕込みにも適した時期なので、子供と一緒に自家製味噌を作るのもいいですね。

流行中の風邪、インフルエンザとの戦いも、あと少し続くでしょうか。ゾクゾクっと風邪の気配がある時は、生姜やニンニク、ネギを使った料理で、体を温めて発散させると悪化の前に食い止められます。
ただ、子供が同じ食事を食べるようになってから、我が家では生姜やニンニクの使用の量を控えるようになりました。というのも、子供の舌は敏感で少しの生姜入りスープでも「辛い」といって飲んでもらえないことがあるからです。極力同じ料理を食べたいのですが、スパイスなど香辛料を使った刺激のあるお料理はまだまだ調整が難しいようです。

風邪予防のために辛味の素材を取り入れたい時は、個別で生姜ドリンクを作ることにしています。
すりおろした生姜と大根をお湯で溶いて、はちみつやレモンを加えて飲みます。お腹の中から温まりますよ。
保温ポットでお茶でお茶を持ち歩いている方は、スライスした生姜を入れるだけでも、お腹から温まるお茶に早変わりします。簡単なのでお試しください。

脂が苦手な人でも食べられるスペアリブ研究

風邪予防のために今回ご紹介するのは、滋養の豚肉スパイス煮です。スパイスの刺激を最小限にし、野菜の甘さで子供でも食べやすいようにしています。
さらに、豚の脂を極力除く調理法にして、スペアリブでもさっぱり食べられるようにしました。

下茹でをして脂や臭みを除き、煮込む際は脂肪を溶かし消化吸収をサポートするプーアール茶で煮込みます。すると脂っこさはなく、お肉の柔らかさは残るようになりました。私自身、脂っこい料理が苦手で、スペアリブや角煮をもう少しさっぱり食べられないものかと考えて生まれたのが、こちらの調理法です。
ほろほろ崩れるお肉料理は食べたいけれど、脂肪の摂取は気になるというパパにもおすすめの調理法。薄味なので、食べる際はお好みで甜麺醤や辛子をつけてお召し上がりください。

材料4~5人分
・豚スペアリブ:700g
・玉ねぎ:2個
・じゃがいも:2個
・人参:1本
・ニンニク:2片
・生姜:1片(7g位)
・米研ぎ汁:鍋1杯分(無ければ水でもOK)
A
・水:1700cc
・プーアル茶パック5g:4個
・和風だしパック8g:3個
B
・桂皮(シナモン):小1/4
・丁字(クローブ):5個
・花椒:小1/4
C
・棗:5個
・クコ:20粒
・高麗人参:3切
・醤油:小2
・塩:小1
・みりん:小1
・オイスターソース:小1
D
・甜麺醤:適量
・練り辛子:適量

作り方
①Aを圧力鍋に入れ、圧力無しで煮出し火を止める。Bをお茶パックに入れる。
②別の鍋に米の研ぎ汁とスペアリブを入れ火にかけ、沸騰したら肉を取り出し、水洗いしておく。
③玉ねぎ、じゃがいもは4等分に切り、人参は乱切り、ニンニク、生姜は2等分に切る。
④圧力鍋から、プーアル茶パック、だしパックを取り出し、②のスペアリブ、③の野菜、①のスパイスパック、Cを圧力鍋に加え、圧力ありで50分煮る。
⑤時間になったら火を止め圧力を抜く、器に盛りつけ、Dを添えて完成です。

食材メモ
豚肉:腎を補い、精力をつけ、気血を補う。身体に潤いを与え、肌の乾燥や、空咳を癒す。
生姜:お腹を温め、胃の冷えを癒す。肺の働きをサポートし、冷えから来る咳や痰を癒す。

お子さんのいるご家庭では、煮込み料理は、作り置き前提で作るかと思うので、量は多めにしてあります。
子供用に、お肉をほぐしてご飯に乗せてどんぶりにすると食べやすいでしょう。
大人だけで食べる際は、生姜・ニンニク・スパイスの量を増やし、辛味を利かせて発散できる味付けにすると、風邪撃退の料理になりますのでお試しください。

市川 三弓
市川 三弓 - Miyumi Ichikawa

漢方スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、ハーバルセラピスト、フードコーディネーター。一児の母。自身の体調不良をきっかけに漢方・薬膳を学ぶ。肉親の病も薬膳でサポートし克服。飲食店舗での薬膳イベント開催や薬日本堂でのセミナー講師を経て、現在は子供向けの薬膳を日々研鑽中。

◎レシピ協力
『薬日本堂の漢方で体をととのえる穀菜食』(主婦の友社)
『はじめての漢方ライフ 薬膳レシピ&食材べんり帳』(主婦の友社)
◎子供のご飯記録:https://www.instagram.com/ikumeshi2017

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