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公開日:2020.01.01 更新日:2020.05.154268view

あなたは鼻から?のどから?~カゼのタイプと対応法~

プチ不調は自分でカイゼン Vol.9

風邪(ふうじゃ)との戦いに勝つ!

カゼを引くことを漢方では、風邪(ふうじゃ)が身体に入って来たと考えます。
今では、【風邪=カゼ】と習うほどです。
この風邪が寒さを連れて、身体に侵入したカゼを風寒(ふうかん)のカゼ、熱を連れて、身体に侵入したカゼを風熱(ふうねつ)のカゼといいます。

風寒の特徴は、ゾクゾクとした寒気です。
風寒は首の後ろ、後背部から侵入すると考えられていますので、首回りは冷やさないようにしましょう。
漢方薬としては、葛根湯(かっこんとう)麻黄湯(まおうとう)を使います。発汗が強いので体力のない方は控えた方が良いでしょう。

風熱の特徴は、のどの痛みです。
口や鼻から侵入すると考えられていますので、マスクの着用とうがい、手洗いは大切です。
漢方薬としては、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)や銀翹解毒散(ぎんぎょうげどくさん)を使います。

カゼの簡単養生法

カゼを引かない生活を送ることが養生の大切なポイントです。

●正気(せいき)を保つ
カゼを引く人と引かない人の差は、正気の差と考えます。正気とは身体に備わっている病気にならない力のようなものです。この正気が弱くなると、風邪が身体に侵入しやすくなると考えます。
過労・寝不足・暴飲暴食・ストレス・・・これらは正気を弱めます。
無理をしなければいけない時はあると思いますが、そのケアを常に意識しましょう。
規則正しい生活を心がけ、強い正気を常に維持しておくことが、カゼ予防の基本です。

●辛みで巡りとバリア強化
辛みは発散の働きがあります。発散することで侵入してきた風邪を追い出すことができます。
また、風邪が入ってこないバリアの役目をはたしてくれるので一石二鳥ですね。
ゾクゾクした寒気が特徴の風寒の場合は、生姜、ネギ、シナモン、シソなど温めながら発散する辛温(しんおん)の素材がおススメです!
のどの痛みが特徴の風熱の場合は、菊花、大根など冷やしながら発散する辛涼(しんりょう)の素材がおススメです!

●大根飴でのどケア
のどの乾燥や炎症、声のケア、冬のカゼ予防におススメです。

材料
大根、ハチミツ
作り方
大根を1~2cmくらいの角切りにする
角切りにした大根を深めの保存容器に入れ、大根が隠れるまでハチミツを入れる
容器を冷蔵庫で一晩ほど寝かせる

朝晩におちょこ1杯ずつ飲みます。
作った大根飴は1週間を目安に飲みましょう。
小さくなった大根を料理に使ってもいいですね。

板藍根(ばんらんこん)でカゼ対策

中国を中心に起こったSARSが流行した際に、予防として推奨したことから板藍根の需要が非常に高まり日本でも注目を集めました。

今では、飴や顆粒でも販売しています。
基源:アブラナ科(Cruciferae)のホソバタイセイ Isatis tinctoria L. およびタイセイ I. indigotica Fortune の根。
薬効:清熱・涼血・解毒
西洋医学的には解熱・抗炎症・抗菌・抗ウイルス作用

カゼや流行性感冒(インフルエンザ)、肺炎、顔面の発赤・腫れ、口内炎、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、など様々な感染症や炎症に用いることができるとされています。

乾燥した刻みを薄く煎じてうがいに使ってもいいですし、お茶のように飲んでもいいですね。
顆粒になった板藍根を飲んでから外出をしたり、板藍根入りの飴をなめて予防するのもおススメです。

この時期は、うがい・手洗い・板藍根でカゼに勝ちましょう!!

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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