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公開日:2019.09.10 更新日:2020.05.155182view

肌も体も潤いあふれる、至福の「桃モツァレラ」

未病を癒す美養生 Vol.3

日本の秋は複雑?多湿と乾燥の混在…

9月に入り、すっかり秋めいてきました。
日中はまだ汗ばみますが、朝夕は涼しく、ぐっと過ごしやすくなりました。
東洋医学では、季節とともに自然界の「気」が変化すると考えます。秋に盛んになるのは植物や大地を乾燥させる「燥」の気。蒸し暑さが落ちつくと、自然界には乾燥した秋の風が吹き、それに伴い、体も潤い不足になってきます。
ただ、日本の気候は実に複雑。繰り返し台風がやってくるため、実際には梅雨時以上に湿度が高いこともあるのです!

洗顔後、化粧水をつけずに肌に触れてみると、目の下や口もとの乾きに驚きます。そんな肌の変化こそ、秋の「燥」の影響にほかなりません。雨の多い9月ではありますが、厳しい暑さで汗をたっぷりかいたあとの体は、明らかに潤い不足。台風の季節が去れば、本格的な乾燥の季節に突入しますから、今からコツコツと水分を補給して、しっかり潤いを蓄えるケアを行いましょう。まずは化粧水でたっぷり水分を補い、油分を含む乳液やクリームでしっかり留めることが大切です。

秋のフルーツが呼吸器、肌、大腸を潤す

スキンケアと一緒に行いたいのは、食べ物によるインナーケア。ポイントは、秋に傷めやすい「肺」を潤す食材をとることです。
細菌やウイルスが呼吸器から侵入することでもわかるように、「肺」(呼吸器官)は病気に対する防衛機能と関わる場所です。体表のバリアを担う皮膚や、腸内細菌の働きで免疫機能を果たしている大腸も、この「肺」の仲間に配当されています。

そんな「肺」にたっぷり潤いを補う食材でおすすめは、今の時季に美味しくなるみずみずしい秋のフルーツです。桃、梨、洋ナシ、柿などは「肺」を潤します。肌や大腸にも潤いを与えるので、肌のかさつきや、大腸の乾燥による便秘の対策にもよいでしょう。

オイルとナッツで保湿機能を後押し!

肌と大腸のためには適度な油分も必要です。良質の油を適量とることも忘れないでください。
薬膳食材でおすすめなのは、くるみ、ゴマ、ピーナッツなどのナッツ類。ナッツには自然な油が含まれているため、便通改善によいとされています。
さらに、肌の潤い対策には乳製品も効果的。牛乳、チーズ、ヨーグルトなどは、皮膚や粘膜を健やかに保つとされ、優秀な美容食材のひとつです。

肌が乾燥したり、便秘がちになったとき、簡単に潤いを補いたいときには、ヨーグルトにナッツ、ドライフルーツ、蜂蜜を加えて食べるのがおすすめです。
フルーツ、ナッツ、乳製品は、どれも脇役的な食材ですが、この時期、こまめに摂るようにすれば、乾燥、便秘など、秋から増えてくるお悩みの予防になるでしょう。

桃とモツァレラでジューシーなサラダ

今回は、秋のフルーツ・適度な油分・乳製品を合わせた美味しいビューティレシピをご紹介します。
みずみずしい桃を、モツァレラチーズ、ナッツと合わせてサラダ仕立てにしました。
モツァレラチーズはフルーツとも相性がよく、皮膚や粘膜に潤いを与えてくれます。
そこに「血」を補ってくれるレーズンと、体を温めて腸に潤いを与えるくるみやアーモンドもプラス。

少量の塩と、エキストラバージンオリーブオイルを加えてサラダにすれば、桃の甘さとみずみずしさが増して至福のおいしさに。
一口食べただけで、潤いがしみわたります。肌も体も喜びそうな一皿は、ディナーはもちろん、週末のブランチにもよい爽やかな味わいですから、ぜひお試しください。

桃とモツァレラチーズのサラダ

《材料》2人分
・もも…1個        
・モツァレラチーズ…100g   
・レモン汁…1/2個分      
・エキストラバージンオリーブオイル…大さじ1
・塩…少々
・くるみ、アーモンド…各2~3粒
・レーズン…10粒程度
・あらびき黒胡椒…少々

《作り方》
①レーズンはお湯に浸してやわらかくしておく。ナッツは包丁で粗く切る。
②桃は皮をむき、種をとり、一口大に切ってレモン汁をかけておく。
③ボウルに、①と手でちぎったモツァレラを入れ、塩、オリーブオイルを加えて和える。
④①を加えて混ぜたら、器に盛り、あらびき黒湖陵をふる。

甘味と酸味のある桃は、フルーツには珍しく体を温める性質があります。
五臓の「肺」を潤し、元気をつけてくれる食材なので、残暑で疲れた体を癒すのにおすすめです。

桃の季節が終わったら、梨、洋ナシ、イチジクを使ってもおいしいでしょう。

岡尾 知子
岡尾 知子 - Tomoko Okao

漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師、鍼灸師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。はり師・きゅう師の国家試験に合格し、鍼灸師として東京の「池袋ひりゅう鍼灸院」で臨床にあたっている。詳しい情報は「LOTUS(ロータス)薬膳教室」「薬膳ノート」で検索を!

◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/

◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com

◎ブログ「Eat & Run! 岡尾 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/

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