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公開日:2021.09.01 更新日:2023.12.064297view

夏バテから秋バテへ~季節の変わり目対応法~

プチ不調は自分でカイゼン Vol.29

疲れがとれな~い!やる気が起きな~い!
秋バテは、夏の疲れと気候環境の変化が主な原因になります。
以下の症状は、秋バテになると起こりやすい自覚症状です。
チェックが多い方は、秋バテ予備軍かもしれません。

☐ 疲れがとれず体がだるい
☐ やる気がおきない
☐ フラフラとめまいがする
☐のどがイガイガして風邪っぽい
☐ 食欲がなく胃もたれする
☐ 熟睡できず寝汗をかく、など

夏の暑さで消耗した身体が、気候の変化や朝晩の寒暖差についていけない状態と考えられますので、夏バテがこの時期に症状となって出ているとも考えられますね。

朝晩の涼しさや乾燥は、五臓の肺に影響します。
漢方で肺の乱れは、のどや声、咳など呼吸器、鼻炎やじんましんなど、皮膚トラブルなどの症状として現れると考えますので、潤い対策は必要になりますね。

夏から秋へのおススメ養生法
夏に消耗した、気(元気)と潤いを取り戻し、秋を快適に過ごしましょう。

●下半身を温め皮膚を鍛える
まだまだ残暑は続きますが、その熱は上半身に集まりやすく、下半身は逆に冷えている方がとても多いです。
ひざ掛けなど下半身の冷え対策、特に足首は冷やさないように心がけましょう。
足浴や半身浴、青竹ふみもおススメです。

また、急に厚着にならず皮膚を鍛えることも大切です。
柔らかいタオルで皮膚をやさししくこする乾布摩擦がおススメです。
薄手の服の上からでも大丈夫です。
腕、足、背中、お腹、首筋などをやさしく刺激してみましょう。

●旬の元気素材と睡眠で元気回復
消耗した身体のままでいればいるほど、秋バテの症状は長引きます。
サツマイモ、山芋、里芋、ブドウ、リンゴ、カツオ、鮭、サバ、サンマなどを意識して取りましょう。
消耗した身体へのエネルギー補給は、旬の食材が一番です。
ただし、胃腸に負担をかけないよう、早食いと食べ過ぎには十分注意してくださいね。

そして、睡眠は疲労回復の特効薬です。
暗い時間の夜に、早く寝ることが大切です。

●潤い作りに白食材
白食材は肺の潤いを養い、機能を助けます。
白きくらげ、ゆり根、ハスの実、大根、レンコン、白ゴマなど積極的に摂りましょう。
甘酒もおススメですよ。

※偏った食材のとりすぎなど極端な養生は要注意です。
ご自身の体調を観察しながら楽しく、加減して取り入れてくださいね。

胡麻で潤い対策!
種や実も、潤い作りには欠かせないアイテムです。
特にゴマは身近な薬膳アイテムとして取り入れやすいですね。

アルコールの分解を促して肝臓を守るセサミン、コレステロールを下げる不飽和脂肪酸、ホルモンバランスを整えるビタミンEなどが身体の酸化、老化を防ぐと言われています。

漢方では、補益精血(ほえきせいけつ)、潤燥滑腸(じゅんそうかつちょう)の働きがあり、身体を潤し、視力減退や白髪、足腰のだるさ、めまい、便秘などに良いとされています。

身体を支える土台作りにはおススメの食材ですね。
この時期は、特に意識して料理に活用しましょう!

今回は、黒ゴマを使った簡単薬酒の作り方を紹介します。

【黒胡麻酒の作り方】
コンビニ等でよく売っている、プラスチックの小さな容器に入っている焼酎(25度)を準備します。
焼酎約200mlに対し、黒胡麻を20g用意します。

①黒ゴマをフライパンで煙が出るくらい乾煎りします。
②粗熱が取れたら、焼酎が入っている容器に入れます。
※溢れないように焼酎を少し別の容器に移しておくといいですね。
③冷暗所で2週間以上熟成させます。

真っ黒の黒胡麻焼酎が出来上がります。
お湯割りやロック、ホットミルク割など、いろいろアレンジを楽しみながら飲んでみてくださいね。

動画でも!「夏バテから秋バテへ~季節の変わり目対応法」

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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