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公開日:2022.04.01 更新日:2022.04.012987view

ため込み体質改善法!?

プチ不調は自分でカイゼン Vol.36

いろいろある脂肪の種類
3大栄養素といわれているのは、糖質、脂質、タンパク質。
これらは、体のエネルギー源になるとともに、細胞や筋肉をつくる材料として利用されます。
ただし、糖や脂肪は摂りすぎると、貯蔵エネルギーとして身体に貯金され、更に増えすぎると生活習慣病などのリスクが高くなると考えます。

今回は身体の貯金の中から、中性脂肪、内臓脂肪、皮下脂肪について、お金の話に例えながら解説します。
◎中性脂肪は、血液中の脂肪のこと。
すぐにエネルギーとして使う事ができるので、例えると家にある貯金箱のお金になります。
◎内臓脂肪は、主に胃や腸の周りにつく脂肪のこと。
お腹ポッコリ張っているので、外からつかめない脂肪です。
たまりやすく、でも頑張れば減らせるので、例えると銀行に預けている普通預金のお金になります。
◎皮下脂肪は皮膚の下につく脂肪のこと。
プロポーションに大きく関係する脂肪です。
いったんたまると減らすのが大変なので、急には出し入れできない定期預金のお金になります。
飢餓の時代であればとてもいい貯金システムですが、飽食である現代では、すべての貯金を精算しておきたいですね。

漢方では、肥満の状態を「痰湿(たんしつ)」といい、消化吸収の働きを担う、五臓の脾(ひ)の働きが乱れたことによるものと考えます。
特に食生活の見直しは必要ですね。
脂肪を減らしたいときによく使われる代表的な漢方薬を紹介しましょう。

【大柴胡湯(だいさいことう)】
効能効果:体力が充実して、脇腹からみぞおちにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの次の諸症:胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症

【防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)】
効能効果: 体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症

※上記の漢方薬は一例です。専門の相談薬局で体質にあった漢方薬をご利用ください。

身体リセット養生法
まずは生活の基本から。
できることから取り入れてみましょう。

●夜の食事を早めに少なめに!
食べたものが消化されないまま寝ると脂肪として貯金される確率がぐんと上がります。
お腹がグーッとなる状態で布団に入るのがベスト。
寝ている間に行われる身体のメンテナンスがスムーズに進みます。
どうしてもお腹が減ってダメという方は、寝る前にティースプーン1杯のはちみつで乗り切りましょう。

●朝の体重測定習慣
朝起きたら体重計に乗る習慣を取り入れてみましょう。
夜の食事量と、しっかりとした睡眠時間が体重にもあらわれることが実感できますよ。

●朝の散歩
日光に浴びて20分ほどの散歩は、陰陽バランスを整える習慣としておススメ!
朝の空気は、エネルギーに満ちています。
思いっきり深呼吸をしながら自然を楽しんでみましょう。

●20秒運動
スクワットをゆっくり20秒、又はプランク(四つん這いになり床に両肘をつく。両膝を伸ばし、頭からかかとまで一直線にする)を20秒。
身体にちょっとした負荷をかけることが大切です。
慣れてきたら、無理をせずちょっと長めにしてみます。
1日1回いつでもOK。是非取り入れてみてください。

プーアル茶で減肥対策
緑茶やウーロン茶の他、紅茶などと同じチャノキの葉からつくられるお茶です。
それを発酵熟成させてできるのが、黒茶とも呼ばれるプーアル茶です。
「減肥茶」としても知られていますね。

・胃腸の働きを助けてくれる
・血糖値上昇を緩やかにしてくれる
・コレステロールの上昇を穏やかにしてくれる

など期待される働きがあります。
黒は身体をメンテナンスしてくれると考えます。
ため込み体質の方は、普段の水分代わりに取り入れてみてはどうでしょう。

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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