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公開日:2021.08.05 3540view

夏ばて対策と秋の準備に大活躍、潤い食材の豆腐

季節を感じて気軽に薬膳 vol.9

猛暑が続いても季節は切り替わる「立秋」
二十四節気の立秋、連日猛暑が続いていますが、暦の上では季節は秋に。
ジメジメしていた空気が、カラッと乾いてきます。
のどや鼻などの粘膜、皮膚も乾いてきて、身体を守る力が発揮しづらくなります。

学生時代、8月といえば夏休みの期間でした。
朝のラジオ体操から始まり、午前中に宿題を片付けて、太陽が照り付ける時間帯は昼寝をする。
咽が渇いたらスイカを食べ、お腹がすいたらトウモロコシを食べる。
これは暑さをしのぎ、元気と潤いを補う基本的な過ごし方だと、今になって実感します。

熱を冷まし、元気と潤いを補う豆腐で残暑対策
この時期に必要なのは、強い日差しと熱に対してまずクールダウンすること。
さらに暑さで消耗した元気と潤いを補うことも大切です。

夏野菜やスイカ、メロンなどは、体内の余分な熱を冷まし、潤いも補ってくれます。
また穀類や芋、豆などは元気を補います。

熱を冷まし、元気と潤いを補う、この3つの要求に応えてくれるのが豆腐です。
豆腐は平性(温めも冷やしもしない性質)の大豆に、にがりを加えて作ります。
にがりの成分は自然界にある鉱物(石)に該当するので、にがりを加えた豆腐は涼性(冷やす性質)の食材になります。

大豆はお腹の調子を整えて元気を養う食材で、豆腐もその性質を引き継いでいます。
豆腐は余分な熱を冷まし、元気を養い、さらに潤いも補ってくれる素晴らしい食材なのです。

豆腐にちょい乗せで残暑を乗り切ろう!
豆腐はトッピングを添えて冷奴や湯豆腐、みそ汁や鍋の具材、ハンバーグや白和えなど崩して料理にするなど、様々な使い方があります。
暑さで疲労し食欲が落ちている時は、豆腐に乗せるものを工夫すると手軽においしく残暑対策ができます。

ひとつは鶏肉のそぼろ、生姜風味です。
疲れがたまり、冷たいものでお腹が冷えているような時におすすめです。

鶏のひき肉を炒めて、酒、醤油、砂糖、生姜のすりおろしを同量ずつ加えて味付けします。
鶏肉はお腹が弱っている時にもやさしく元気を補い、生姜は冷えを除いて温めます。

もうひとつは山形名物のだしです。
のぼせやほてり、日やけなど夏の症状が気になる人におすすめのトッピング。
簡単な作り方を紹介しますが、市販のだしを乗せるだけでもよいでしょう。

豆腐は懐の深い食材です。
お好きなトッピングで夏の疲れを癒やしましょう。

【材料】作りやすい分量
キュウリ 2本
ナス   1本
ミョウガ 2本(好き嫌いで減らしても)
シソ   10枚
めんつゆ 大さじ5(または酒、みりん、醤油を2:2:1)
がごめ昆布 5g(または細切り昆布)

【作り方】
①キュウリ、ナス、ミョウガ、シソは細かく刻む。
②刻んだナスはアクを抜くため、水に浸けてから水気を取る。
③めんつゆに刻んだ具材と昆布を加えて混ぜ、2時間ほど冷蔵庫で寝かせる。
※調味料を合わせる場合は、一度鍋でひと煮立ちさせ、粗熱を取ってから用いる。

【薬膳食材メモ】
豆腐:熱をさまし潤いを補う。お腹の調子を整えて元気を養う。

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