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公開日:2021.02.01 6272view

髪と爪のトラブルは血行不良!?

コラム:プチ不調は自分でカイゼン Vol.22

末端への栄養不足が原因です!
漢方で、「髪は血余(けつよ)」といい「血(けつ)」が髪を作ると考えられています。
血は、身体に栄養と潤いを与え、気持ちを調える働きがあります。

加齢や、過度なダイエットによる栄養不足、またはストレスや冷えで血流が悪くなったりすると、十分な栄養が身体を巡らなくなります。

一番栄養が届かないのは、【末端】です。
髪や爪のトラブル、手足の末端冷え性、あかぎれやしもやけなどは、栄養が届かなくなったことによるトラブルと考えられますね。

また、髪や爪の栄養不足は、五臓六腑の肝(かん)タイプと腎(じん)タイプに分けて考えることができます。

漢方で考える肝は、血を蓄える働きがあります。
肝のはたらきが弱ると、
□顔が青白い
□目の疲れやかすみ、視力低下
□めまいやたちくらみ
□こむらがえり
□生理が遅れがち、または無月経
などの症状があらわれやすくなります。

漢方で考える腎は、エネルギーを蓄える働きがあります。
腎のはたらきが弱ると、
□夜になると手足がほてる
□足腰がだるい
□のぼせやすくほほが赤い
□眠りが浅い
□唇が渇きやすい
などの症状があらわれやすくなります。

いずれにしても、良質の血をつくり、血流を良くする対策が必要です。

血流を調える!簡単養生法
肝と腎、いわゆる肝腎要(かんじんかなめ)をケアする簡単養生法を紹介します。
必ず心がけてほしいのは、肝と腎が位置する腰回りは絶対に冷やさないこと!
そのうえで、以下の養生を心がけましょう。

●実や種をとる
クコの実、ナツメの実、ゴマの実、松の実、かぼちゃの種、ナッツ類やドライフルーツなどの、種や実を意識してとりましょう。身体に潤いを与え、良質の血を作るための原料になります。
ベタベタするものは潤すはたらきがあるものが多いですね。

●赤黒食材のススメ
赤い食材は、肝のはたらきを助け、黒い食材は腎のはたらきを助けます。
人参、赤パプリカ、トマト、クコの実、ナツメの実、
黒豆、ひじき、黒ゴマ、黒きくらげ、昆布、等々
肝腎を補いましょう。

●よく寝ましょう!省エネ生活のススメ
夜更かしや目の使い過ぎは、血を大量に消耗します。夜は早めに寝ること!
せっかく血を作れても燃費の悪い生活をしているのはもったいないですね。

肝腎要のケアは、女性の養生につながります。
美容、美肌、ホルモンバランスが整いますよ。是非、生活に取り入れてくださいね。

クコの実で肝腎要をケアしましょう
クコの実は、近年ではゴジベリーともいわれスーパーフードとして紹介されています。
スーパーの中華食材コーナーにも置かれるようになり、手に入りやすくなりました。

薬膳では、養陰補血(よういんほけつ)
五性:平
五味:甘
帰経:肝腎
身体に潤いと栄養を与え、肝と腎に働きかけます。

栄養成分としては、ビタミンB1、B2、Cや、アミノ酸の一種ベタイン、ポリフェノールなど、非常に豊富な栄養が含まれています。
ベタインという成分には、抗脂肪肝作用があり、枸杞子の水抽出物には血圧降下作用が認められているので、肝硬変や高血圧などの生活習慣病の予防効果も期待できます。

マグカップに軽くひとつかみ入れ、熱湯を注ぎ5分蒸らせば、クコ茶が出来上がり。
髪や爪へのケアはもちろん、美容、美肌、目の疲れ、熟睡できない、ホルモンバランスを整えたい時などにおすすめです。

他にも、クコ酒、クコ酢、クコはちみつ、クコみりんなど、いろいろなものに漬けておくことで、いろいろな活用ができますよ。



鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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