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公開日:2021.02.10 更新日:2021.02.102304view

滋養と潤い補給、ほたての卵焼き

家族の薬膳 〜家族を守るママの養生 Vol.16〜

初春の養生方法
二十四節季の立春が過ぎ、昼間は温かい日が増えてきました。
恵みの雨が降る日も増えましたが、まだまだ朝晩は冷え込み、空気の乾燥も気になります。
また、春らしい強い風が吹く日も増えてきました。

朝晩の冷え込む時間はしっかり防寒をし、身体に不調をもたらす邪気、風邪や寒邪の侵入を防ぎましょう。
邪気は、首の後ろ側から体内に入りやすいので、首を温め、風から守るのは、重要な養生になります。

春は、新芽が芽吹き、冬の間に貯めたエネルギーを開花させる季節です。
私たちも自然界同様、心中の意欲をおこし、育て、伸び伸びと成長させるのが、春の養生方法の一つになります。

新型コロナウイルスの影響でまだまだ行動の制限は続きますが、少しずつ発散させる行動を増やしていきましょう。海外や他県など遠くに行けなくても、太陽が出ている時間に近所を散歩して新緑を愛でたり、ジョギングをして運動不足を解消したりと、春を感じ、活動することは出来ますね。

陽気は、外部から侵入する病気の原因から身を守るはたらきがあると漢方では考えます。
朝の窓開け、近場の散歩などで、新春の太陽の陽気をたっぷり浴びましょう。

春は、思いを実行に移すことも養生に繋がります。
家で出来るヨガやエクササイズ、手芸や創作活動をしたり、資格など、家にいるからこそ出来る活動はたくさんあります。やりたいなと思っていたことを、春の陽気と共に始めてみましょう。

卵焼きで潤い補給
今回の家族の薬膳では、子供の大好きな卵焼きのアレンジをご紹介します。

好きなメニューと、そうではないメニューでは、食べる勢いも量も、まるで違うわが子ですが、卵焼きは好きなメニューの一つです。
いろいろな食材を食べてもらいたい親としては、好きな卵焼きに他の食材を混ぜて、食べてもらう作戦をとっています。

乾燥した身体を潤し元気をつけ、冬に消耗する腎を補いたい時は、ほたて貝を入れた卵焼きを作ります。
ほたて貝は、買い置きしやすく、時間のない日常でも使いやすい水煮缶が便利です。
また、鶏卵の卵白には、身体の熱を冷まし、目の充血や喉の違和感を癒す働きもあるので、春に起こりやすいこれらの症状の軽減も期待が出来ます。

【材料】
・卵:2個
・牛乳:50ml
・ほたての水煮缶:65g(汁含む)
・醤油:小1/2(あれば減塩醤油)
・バター:10g
・オリーブオイル:適量

【作り方】
①ボウルに、卵を割り入れ溶きほぐします。牛乳、醤油を入れ、ほたてはほぐしながら入れて混ぜ合わせます。
②卵焼き器にオリーブオイルを入れ、弱火で全体になじませ、余分な油をふき取ります。バターを溶かしながら、①の卵液を入れて焼きます。(2回に分けて入れると扱いやすいです。)
③全体に火が通ったら、お皿に盛りつけ、食べやすい大きさに切ったら完成です。

【食材メモ】
ほたて:潤いを補い、腎の働きを高めるので、滋養強壮や老化予防に良い。
鶏卵:血を養い潤すので、虚弱体質の体質改善に良い。

気温の急な変化や、春の強い風が吹く今の時期は、頭痛、めまい、目や鼻のトラブルなどが起きやすい時期でもあります。この時期に重宝するのが、身体の上部にあらわれる不調を軽減してくれる菊花です。

身体にほてりを感じる時は、緑茶やミントとブレンドします。
寒さが気になる日は、紅茶やほうじ茶などとブレンドしてみましょう。
普段飲んでいるお茶とブレンドするだけで取り入れられるので、ぜひお試しください。



市川 三弓
市川 三弓 - Miyumi Ichikawa

漢方スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、ハーバルセラピスト、フードコーディネーター。一児の母。自身の体調不良をきっかけに漢方・薬膳を学ぶ。肉親の病も薬膳でサポートし克服。飲食店舗での薬膳イベント開催や薬日本堂でのセミナー講師を経て、現在は子供向けの薬膳を日々研鑽中。

◎レシピ協力
『薬日本堂の漢方で体をととのえる穀菜食』(主婦の友社)
『はじめての漢方ライフ 薬膳レシピ&食材べんり帳』(主婦の友社)
◎子供のご飯記録:https://www.instagram.com/ikumeshi2017

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