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公開日:2019.01.25 更新日:2020.05.193456view

カゼのひき始めに「さつまいものみかん生姜煮」

子供の薬膳〜乳幼児編 Vol.8

カゼの家族内感染対策

二十四節気の大寒を過ぎ、一年で最も寒い時期になりました。
更に空気が乾燥していることもあり、インフルエンザが大流行していますね。

うちの子も、保育園でインフルエンザが流行っていると聞いた数日後に発症してしまいました。
高熱が出て就寝中が特に辛そうでした。

こんな時に大切なのは、隣で看病している自分までインフルエンザにかからないようにすること。
まずは、マスク着用で看病しています。
さらに日中も空気感染を予防すべく、部屋の加湿もして、アロマスチーマーやストーンなどに、ユーカリ、ティートゥリー、ペパーミントのオイルを垂らして、部屋中スッキリしたいい香りを充満させています。
看病する人が疲れてしまっては、いつもよりぐずりがちな子供を笑顔で看病出来ません。いい香りで心も晴れるので、看病のお供にアロマオイルはお勧めです。

ユーカリは抗菌の働きもありつつ、鼻づまりも楽にしてくれ、ティートゥリーは抗菌に加え免疫を上げる働きもあります。我が家ではカゼのひき始めの家族がいると、アロマオイルを片手に家中のストーンに垂らして歩くのも恒例行事となっています。

頻繁に手洗いうがいなども行い、お陰様で子供以外は感染することなく、インフルエンザの家族内感染は無事に食い止められました。

カゼはひきはじめの対策が肝心

インフルエンザを予防するのは難しいかもしれませんが、カゼのひき始めは、対応次第で症状の悪化を防げると考えます。

寒気がする時は、辛味があり温める食材の生姜やネギ等のスープを作ったり、生姜紅茶を飲んで体を温めると、カゼの悪化を食い止められます。
喉がイガイガする等の炎症による不快感や咳がある時は、生姜紅茶は喉を刺激して咳を誘発する事もあるので、菊花やエキナセア、リンデン等のハーブティーに切り替えます。

体を温めてくれる生姜も、幼児は生姜がたっぷり入ったお料理は辛くて食べてくれないので、幼児向きには少量だけ入れます。
今回ご紹介するさつまいものみかん煮にも生姜が入りますが、少量のため、さつまいもとみかんの甘さが勝ち、パクパク食べてもらえます。買ってから少し日にちがたってしまい、しおれてきたみかんの美味しい食べ方としてもお勧めです。

さつまいものみかん生姜煮

【材料】
さつまいも:1本(約220g)
みかん:2-3個(搾り汁約120cc)
生姜:一片(すりおろしで約2g)
水:50cc

【作り方】
①さつまいもを1cm幅より少し薄めの0.7cm幅の輪切りにして、水に5分程さらします。
*太さがまちまちの場合は太い部分は半月切りにします。
②みかんを搾ります。
③生姜をすりおろし、②の搾り汁に加えます。
④鍋に①のさつまいもを並べ、③の搾り汁と水50ccを入れて、火にかけます。
⑤沸騰したら、落し蓋をして中弱火で10分程煮ます。さつまいもを爪楊枝で刺してスーと通れば完成です。
*煮汁が少しだけ残るのでお芋に絡めて盛り付けます。

【食材メモ】
生姜:体を温め発汗させるので、ゾクゾクする寒気を伴うカゼの初期に良い。肺の働きを高め、冷えで悪化する咳、痰に良い。
みかん:豊富なビタミンCでカゼを予防する。肺を潤し、のどの乾きを癒す。咳、痰に良い。

アレンジレシピとして、陳皮(みかんの果皮)も入れると気の巡りを高め、痰を出しやすくしてくれます。
さつまいものみかん生姜煮の残りは、サイコロ状に切って、蒸しパンやパウンドケーキに混ぜると、喜んで食べてもらえます。
さつまいも1本だと余らないので、パウンドケーキ等を作りたい場合は、2本位まとめて作っておくとよいでしょう。

市川 三弓
市川 三弓 - Miyumi Ichikawa

漢方スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、ハーバルセラピスト、フードコーディネーター。一児の母。自身の体調不良をきっかけに漢方・薬膳を学ぶ。肉親の病も薬膳でサポートし克服。飲食店舗での薬膳イベント開催や薬日本堂でのセミナー講師を経て、現在は子供向けの薬膳を日々研鑽中。

◎レシピ協力
『薬日本堂の漢方で体をととのえる穀菜食』(主婦の友社)
『はじめての漢方ライフ 薬膳レシピ&食材べんり帳』(主婦の友社)
◎子供のご飯記録:https://www.instagram.com/ikumeshi2017

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