- 鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]
1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中
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目と鼻にストレスを感じない、春の生活を目指してみませんか
プチ不調は自分でカイゼン Vol.82
花粉症は春の前から始まっている
2月になると、「夜中に鼻が詰まって起きる」「鼻がムズムズする」「目がかゆい」「朝から頭が重い」そんな声を耳にすることが増えてきます。
本格的な花粉の飛散はもう少し先のはずなのに、なぜこの時期から不調が出始めるのでしょうか。
漢方では、体は自然の流れと常に呼応していると考えます。まだまだ寒い日が続きますが、暦の上で立春を迎える2月は、体の中ではすでに“春のスイッチ”が入り始める時期になります。

春のキーワードは「生」。
すべてのものが芽吹き、動き出す季節です。この「動き」をコントロールしているのが、五臓の「肝」です。
肝には、気の巡りを調整する、感情を安定させる、筋や目の働きを支える、といった役割があります。
肝の働きが滞ると、イライラしやすい、ため息が増える、目が疲れる、目のピクピク、めまいといった症状が現れます。
一方、花粉症の症状そのものは、五臓の「肺」と深く関係しています。肺は、鼻・のど・皮膚とつながり、外から入ってくる刺激に最初に反応する臓です。花粉という異物に対し、くしゃみや鼻水、鼻づまりとして反応します。
ここで重要なのが、肝と肺は互いに影響し合う関係にあるということです。
肝の巡りが悪くなると、肺の働きもスムーズにいかなくなり、結果花粉症の症状が強く出やすくなります。
花粉症対策というと、どうしても「鼻」や「肺」だけに注目しがちですが、実は肝を整えることが、症状を軽くする大切なポイントになります。
「肝」整える生活養生とは
●解毒!
本格的な陽の季節が始まる前に、体にたまった老廃物を解毒しておくことが大切です。
冬の間に体重が増えた方は、今のうちにダイエットするのがおススメです。春が旬の苦み食材である、フキノトウ、タラの芽、うど、ワラビ、ぜんまいなどはデトックスの応援をしてくれます。
●夜は早めに休む
肝は夜に血を蓄え、修復されます。夜更かしが続くと、肝は十分に回復できません。
●冷やさない
冷たい飲み物や生ものの摂りすぎは、鼻水や不調を悪化させる原因になります。特に透明な鼻水が多く出るタイプの方は、意識すると良いでしょう。
花粉症サポート素材と漢方薬
◎甜茶(てんちゃ)
甜茶に含まれるポリフェノールは、ヒスタミンの放出を抑える働きがあるとされ、花粉症シーズンによく利用されます。成分はしっかり煮出すことで抽出されやすくなります。弱火で5〜10分ほど煮出し、体を冷やさないよう温かく飲みましょう。
◎じゃばら
じゃばらには、ナリルチンというフラボノイドが多く含まれ、花粉症の症状軽減が期待されています。

柑橘類の香りは、肝の巡りを良くし、気の滞りをやさしくほぐしてくれます。果汁や粉末、飴など、無理なく続けられる形で取り入れるのがポイントです。
花粉症でよく使われる代表的な漢方薬を紹介します。
◎小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
体力中等度、またはやや虚弱で、水のようなサラサラした鼻水、くしゃみが続くタイプに使われます。
身体を温めながら、余分な水分を外へ追い出し、鼻水や咳を鎮める処方です。
◎辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
体力中等度以上で、黄色く粘りのある鼻水、鼻づまりが強いタイプに。
炎症や熱を冷ましながら、鼻の通りを良くする処方で、副鼻腔炎を伴う花粉症にも使われます。
花粉症は、症状が出てから慌てて対処するより、出る前の体づくりが何より大切です。今年の春は、少しだけ早めに、体を整えて迎えてみてくださいね。
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