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公開日:2022.08.10 1983view

猛暑に耐えている身体と心のほてりをさましましょう

季節の不調と漢方相談Vol.15

暦のうえでは立秋(8月8日)ですが・・・
こんにちは。
ニホンドウ漢方ブティック東急プラザ渋谷店西山です。
東京に越してきて2年目、坂道や裏道の多い渋谷もグーグルマップなしで歩けるようになりました。

さて、まだまだ本格的な暑さが続きますね。
年々暑さが過酷になってきているように感じるのは私だけでしょうか。昼間の炎天下には命の危険さえ感じます。
涼しい室内にこもっているのがイチバン!なんて思ったりもしますが、涼しいところばかりにいると汗をかく機能が落ちたり、少しの外出でも気温差に身体が振り回され、疲れやすくなります。

その症状、夏の暑邪のしわざかも・・・?
1年で最も暑い8月は、身体だけでなく精神面にも余分な熱がこもりやすくなる時期です。

漢方では身体の適応能力を超えて不調をもたらす暑さを「暑邪(しょじゃ)」といいます。
「暑邪」には焼けるような熱さ、燃え上がる炎のような性質があります。
「暑邪」の攻撃を受けると、身体のエネルギーである「気(き)」を大量に消耗するので、だるさや食欲不振など夏バテの症状が現れます。
また、身体を潤す成分である「津液(しんえき)」が奪われるので身体の疲れに加え、イライラ、不眠、動悸、目の充血などが現れやすくなります。

「疲れているはずなのになかなか寝付けない」「イライラして落ち着かない」「汗をかけなくて熱がこもる」
などの経験、ありませんか?その症状、夏の暑邪のしわざかもしれません!

暑邪に負けない養生ポイントは、

・十分に休息をとる
寝苦しい夜が多い夏は、消耗しがちなエネルギーを補うのにお昼寝がおすすめです。数分目をつむるだけでも効果的。

・抑目静耳(よくもくせいじ)
陽の気が強い夏は気持ちも昂りやすくなります。目を抑え、耳を鎮めて外部からの刺激を減らし、気持ちのクールダウンをはかりましょう。

この時期には身体にこもった熱をさまし、暑さで消耗しがちな体力を補う働きのある食材がおすすめです。

イライラを鎮めて心も身体もクールダウン
食べ物の性質は、それぞれ大きく温性、平性、涼性の3つに分けられます。

・温性 身体を温める
 玄米・えび・青背の魚・生姜・にら・かぼちゃ・しそ
 玉ねぎ・にんにく・ピーマン・黒糖・黒胡椒・酢 
 あんず・桃・さくらんぼ・シナモン・なつめ・陳皮

・平性 温めも冷やしもしない
 豆類・牛乳・卵・いか・まぐろ・白身魚・木耳・金針菜
 山芋・里芋・しいたけ・梅干し・胡麻
 はちみつ・クコの実・さんざし・ぶどう

・涼性 身体を冷やす
 はと麦・あわ・小麦・そば・豆腐・緑豆
 あさり・海藻・昆布・大根・トマト・ゴボウ
 冬瓜・レタス・バナナ・ブルーベリー・ミント

暑さの厳しいこの時期は上手に涼性の食べ物を取り入れて、余分な熱を冷ましましょう。
冷房などで冷えの気になる方は温性の食べ物も一緒に取り入れてみてくださいね。

○ミント入り三色茶
材料(2人分)
ミント・・・4g クコの実・・・2g 陳皮・・・2g       
飾り用材料・・・上の3種類からそれぞれ6~8個取っておく          
氷砂糖・・・小さじ2 水・・・500ml

作り方
①鍋にミント、クコの実、陳皮、氷砂糖、水500mlを入れて中火で5分間煮る。
②茶こしでミント、クコの実、陳皮を取り除き、冷ましてから冷蔵庫に入れておく。
③飲む前にグラスに飾り用材料を3~4個入れてから、②を注ぐ。

ミントの香りですっきりとした気分に。さらに気を巡らせる陳皮、血(けつ)を養うクコの実が加わりパワー倍増です。

熱が上手に外に排出できないと、気血の消耗がすすみ、疲れやすくなります。
心当たりのある症状があれば店舗に来ていただけると、おすすめの漢方薬はもちろん、食事、生活面も含めたアドバイスもできますので、ぜひこの機会にご来店ください。

西山 麗花 - Reika Nishiyama -
[ニホンドウ漢方ブティック東急プラザ渋谷店 店長・薬剤師]
大学卒業後、2011年薬日本堂入社。全国の店舗で相談業務を経験し、現在は東急プラザ渋谷店店長として、店舗管理やスタッフ教育の他、広報取材対応にも携わる。婦人科系や肌悩みの相談を得意とし、幅広い年代層の女性からの支持を得ている。「お客様のお悩み改善はもちろん、気持ちが楽になれるようなカウンセリングを心がけています」。
ニホンドウ漢方ブティック東急プラザ渋谷店

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