漢方ライフ読む(コラム一覧) > 季節と眠りの関係~夏は眠りが浅くなる
公開日:2022.04.15 更新日:2022.04.182349view

季節と眠りの関係~夏は眠りが浅くなる

眠りと漢方~眠れぬ夜のために vol.10

日の出とともに身体も目覚める
養生の指針が様々な角度で述べられている中国の古典『黄帝内経-素問』に、季節における生活態度に触れて、次のように寝起きするよう記述があります。

春夏は、夜ふかしすることなく早く床に入り、朝は早く起床する。
秋は、早く寝て早く起きる。
冬は、夜早く寝て、朝は遅くまで床にあって日が昇ってから起きる。

目覚まし時計無しで自然にまかせて起きていると、冬と夏で起床時刻が変化することを体感します。
日の出とともに身体も目覚める。
季節により睡眠時間や質が自然と変わるようです。

睡眠は季節によっても変化する
先ほどの古典の記述では、季節によって就寝と起床の時刻を変えることが養生の基本であることを述べています。
季節に陰陽の変化があり、身体はそれに呼応しますから、睡眠の状態、つまり眠りの深さや長さも季節によって変化します。

季節を陰陽でみると、春夏は陽、秋冬は陰の季節。
陰が深まる冬は動物が冬眠するかのように人も眠りが深く、睡眠時間は長くなります。
一方、陽の季節である夏は寝つきにくく、眠りは浅くなります。

夏の不眠はあまり心配しない
同じ人でも季節によって眠りの質が変化し、夏は誰もが他の季節より眠りが浅く、短くなる傾向があるのですね。

不眠症のきっかけは精神的緊張やストレス、環境の変化、体調の変化、飲食の摂り方など様々あり複合していることも多いです。
それらのきっかけが夏に起これば、より眠りにくくなります。

不眠症で大切なのは慢性化させないための初期の対応。
「眠れないこと」そのものへの不安や焦りが心身に緊張をもたらし、さらに眠れなくなるというネガティブな循環を避けたいです。
「夏は眠りにくい」と知っておくことも心の養生のひとつです。

夏の睡眠をより快適に
寝つきにくく眠りが浅くなる夏に、少しでも快適な睡眠を得るための養生をいくつか紹介します。

●身体の隠れた冷えと自律神経の乱れを改善
クーラーの使用により、自覚していないけれど身体は意外と冷えています。
また、室内外の温度差が大きいため自律神経が乱れ、睡眠に影響します。
対策は、シャワーで済ませず、ぬるめのお風呂に浸かること。
シャワーと入浴の違いをぜひ感じてください。

●意識的に陰陽の切り替えを
日が長いとつい夜遅くまで楽しみたくなりますが、就寝前は意識的に興奮を鎮めて陽から陰への転換を。
部屋の照明を電球色にして、心穏やかに過ごす時間をつくりましょう。

●夏の眠りにおすすめのお茶
暑さが気になる人や神経が高ぶっているときは、緑茶に菊花やミント。
疲れがたまっている人や焦燥感のあるときは、お湯にナツメとクコの実やレーズンを入れて。
食欲が落ちて夏バテ気味のときは、ジャスミン茶に陳皮。

●就寝時の汗対策
吸湿速乾機能の下着・肌着を用いるなど、衣類を工夫して就寝中の不快感を軽減しましょう。

夏は活動の季節ですが、寝不足気味のため実は疲れが溜まりやすい季節でもあります。
紹介した養生は不眠症の人だけでなく夏を元気に過ごしたい人にもおすすめの養生です。

飯田 勝恵
飯田 勝恵 - Katsue Iida[薬剤師・薬日本堂漢方スクール講師]

静岡県立大学薬学部卒業。1998年薬日本堂入社。約10年間の臨床と店長を経験。店舗運営や相談員教育などに携わり、その後「自然・人・社会に役立つ漢方の考えをより多くの人に伝えたい」と講師として活動。薬だけではない漢方の思想や理論に惹かれ、気功や太極拳、瞑想なども生活に取り入れながら漢方・養生を実践している。

漢方スクールでの担当コース・セミナーはこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

ページトップへ