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公開日:2020.05.01 更新日:2023.07.186063view

気持ちが落ち着かない!~精神安定のコツ~

プチ不調は自分でカイゼン Vol.13

五月病リスクは全員がもっている

五月病(ごがつびょう)とは、新人社員や大学の新入生や社会人などに見られる、新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称である、と定義されています。

今回の新型コロナウィルスで、私たちの生活は一変しています。
コロナ疲れという表現が出るくらい今までにない環境でストレスを感じている人は多いですね。
全員が五月病予備軍と言っても良いでしょう。

主な症状としては、無気力・不安感・焦燥感など

漢方では、季節の影響も大きいと考えます。
春からの陽気により風邪(ふうじゃ)の影響を受けやすく、風に揺られるように気持ちも揺れ動く季節。五臓六腑の肝(かん)が乱れる季節です。
肝には気(ストレス)が詰まりやすく、イライラや落ち込み、頭痛やお腹の張りなどが起きやすくなります。


肝を落ち着かせ気持ちを整える簡単養生法

肝が落ち着く生活養生法を紹介します。
当たり前のこともありますが、忘れがちなものもあるはずです。意識して取り入れてみましょう。

●身体のリズムを整える
明るい時間に活動し、暗い時間に休息するのが大前提。
時間の使い方が乱れがちになります。特に朝起きる時間を一定に保つことは大切です。
朝の空気はエネルギーに満ち溢れています。
大きく深呼吸をして1日の最高のスタートを切りましょう。

●信頼できるひとに悩みを打ち明ける
漠然とした不安を抱えている人はとても多いと思います。
体調や生活、仕事・・・気になっていることをずっと抱えていると様々な未病の症状が出てきます。言葉に出して吐き出すことが大切で、気は巡り思考が整理されます。
難しいと思った方は、好きな歌を口ずさむだけでも気は巡りますよ。(暗い歌でも大丈夫です)

●身体を動かす
身体を動かさないと気は巡りません。巡らないと身体はどんどん固くなると思いましょう。
私のおススメは、ラジオ体操を本気で行うこと!!
家でできる、そして誰もができる最高の運動法です。

●旬の食材を中心に
筍・ゼンマイ・コゴミ・ウド・ふき・三つ葉など葉野菜や山菜など、芽吹く食材や苦みがある食材はおススメです。
香り野菜やジャスミン茶などのハーブティ、又は好きな香りをかぐことも気を巡らしますよ。

●おススメのツボ
内関(ないかん):ストレスによって不安定になっている心身を落ち着けます。
胃腸の働きを助ける働きも。
場所:手首の内側のしわから指3本分ほど肘側、2本の筋の間。押すと響く感じがするところ。
押し方:親指でやや強めに8~10秒押す。10回押したら反対の手も同様に行う。


金針菜(きんしんさい)で精神安定

金針菜は、本萱草(ホンカンゾウ)というユリ科に属する植物の花の蕾です。

本萱草(ホンカンゾウ)は、心配事をすべて忘れてしまうほど美しい花を咲かすことから、別名「忘憂草(ボウユウソウ)」とも呼ばれています。
蕾の薬効に憂鬱なことを忘れさせてくれる作用があることで名づけられたという説もあります。

生の金針菜も今は手に入るようですが、きちんと処理をしないと毒があるとされるので、私たちは乾燥したものを活用しましょう。
ぬるま湯(水でも可)戻し適当な大きさに切ってもらえば、いろいろな料理に使えますよ。

期待される働きとしては、
・気の高ぶりを静め、精神の緊張をほぐし、憂鬱な気分を解消
・体内の水分の流れと代謝を良くし、泌尿器の機能を整えむくみなどが解消
・ストレスなどで弱った肝の働き助けてくれる働きがあり、消化を助けストレスを解消
・内にこもった熱を冷ます作用があるので、夏バテにもおススメ
・補血作用があるので、貧血の防止や精神の安定が期待できます。


栄養成分も豊富で、特に鉄分はほうれん草の20倍もの量を含んでいます。

効果が実感できるには個人差があると思いますが、こういう時期だからこそ取り入れたい食材ですね。

鈴木 養平
鈴木 養平 - Youhei Suzuki[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年宮城県生まれ。東北医科薬科大学卒業後、薬日本堂入社。臨床を経験し、店舗運営、教育、調剤、広報販促に携わる。札幌に勤務中、TVの漢方コーナーにてレギュラー出演。漢方薬による体質改善の指導・研究にあたる一方で、“漢方をより身近に”とセミナー講師・雑誌・本の監修(『おうちでできる漢方ごはん』『かんたん・おいしい薬膳レシピ』)で活躍中

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