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公開日:2017.12.15 更新日:2020.05.209711view

おなかの疲れを温めて補う「スパイシーチリコンカン」

薬膳常備菜Vol.19

多忙な年末年始は胃腸を整えよう

仕事納め、大掃除、年賀状やお節の準備などなど、年末年始は何かと忙しい時季です。忘年会や新年会で、御馳走を食べたり、いつもよりお酒を飲んだりする機会も増えますね。おいしくて楽しい時間を満喫するためにも、消化機能を健康に保つことが大切です。

漢方養生では、消化機能をつかさどるのは五臓の「脾」と六腑の「胃」と考えられています。「脾」には、食べたものから栄養をつくり、さらに体のすみずみに届ける働きが。「脾」が不調になると、作った栄養を持ち上げる力が低下し、下痢が起こりやすくなります。
「脾」と協力して働く「胃」は、食べ物の初期消化を行い腸に降ろす器官。「胃」が弱ると下降させる力が不足し、吐気や嘔吐が起こります。「脾」と「胃」は、食事の不摂生だけでなくストレスの影響も受けやすいので、あわただしく時間に追われがちなこの時季は、注意が必要となります。

「脾」「胃」が弱ると、栄養をつくり、届けることができなくなるため、疲れやすくなったり病気にかかりやすくなります。さらに、「腎」に蓄えられている「先天の気(命の根源ともいえる大切な気)」も消耗してしまうため、老化が進んでしまう恐れも。『養生訓』で有名な貝原益軒は、「飲食は人の大欲にして(中略)、ほしいままにすれば脾胃をやぶり、諸病を生じ、命を失う」と警告し、脾胃を養うことが養生にとって最も重要だとしています。

「脾胃」を補う嘔吐を止めるインゲン豆

大切な「脾」と「胃」をいたわるのにおすすめの食材がインゲン豆。特に白いインゲン豆は薬膳、漢方の世界で「白扁豆(はくへんず)」と呼ばれ、嘔吐や下痢など、「脾胃」が弱い人に用いる薬にも用いられています。今回ご紹介するのは、そんなインゲン豆を使った常備菜「スパイシーチリコンカン」です。

インゲン豆は、本来は乾燥したものを柔らかくゆで、ゆで汁ごととるほうが効果的ですが、今回は、簡単に調理できる缶詰を使用。組み合わせるのは、「脾」「胃」の気の巡りを整えるたまねぎと、気を補う力に優れた鶏肉です。さらに、唐辛子、胡椒、小茴香(フェンネル)、にんにくなどを加えて辛味をプラスすることで、温めながらおなかの調子を整える働きが期待できるでしょう。
そのまま食べるのはもちろん、ゆでたポテトと重ね焼きにしたり、コロッケにしたりとアレンジがきくのが魅力。作って冷蔵庫に入れておけば、忙しい時季のお助け料理として活用できると思います。
インゲン豆は、英語で「kidney beans」。「kidney」は「腎臓」という意味です。冬に消耗しやすい「腎」を名前にもつお豆で「脾胃」を養い、新しい一年を健康に迎えてください。

【作り方】
・鶏ひき肉…200g
・白インゲン豆(ゆでたもの)…200g
・にんにく…1片
・たまねぎ…1/2個
・オリーブオイル…大さじ2
・ホールトマト缶…1缶
・塩…小さじ1
・トマトケチャップ…大さじ1
・しょうゆ…大さじ1
・カイエンヌペッパー…適量
・クミンシード…適量
・コリアンダーパウダー…少々


【作り方】
①にんにく、たまねぎはみじん切りにする。
②フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ、弱火にかける。香りがたったらたまねぎを加えて透き通るまで炒める。
③鶏ひき肉を加え、中火でパラパラになるまで炒めたら、崩したホールトマトを加えて煮詰める。
④汁気が半分くらいになったら、白インゲン豆を加え、塩、トマトケチャップ、しょうゆで味を調える。最後にスパイスを加え、好みの辛さに仕上げる。

【食材メモ】
白インゲン豆:気を補い、余分な湿気を取り除いて消化機能を健康にする。特に下痢は吐き気に。
鶏肉:気を補い、弱った消化器官を元気にする。虚弱体質や四肢の弱った人に◎。気の逆上を止めるので、咳、げっぷ、しゃっくりにも。
たまねぎ:気の巡りをよくし、消化機能を整える。食欲不振やおなかの張り、下痢、胃もたれ、吐き気、食べ過ぎによる消化不良に。
唐辛子: 温め作用が非常に強い。おなかの冷えをとり、冷えによる腹痛をやわらげる。食欲不振や消化不良に。

忙しい朝は、チーズといっしょにパンにのせてトーストに。これ逸品で、お腹が温まる贅沢な朝食に!

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岡尾知子 - Tomoko Okao
岡尾知子 - Tomoko Okao
漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師、鍼灸師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。2020年春、はり師・きゅう師の国家試験に合格し、鍼灸師として東京・池袋の鍼灸治療院で臨床にあたっている。詳しい情報は「LOTUS(ロータス)薬膳教室」「薬膳ノート」で検索を!
 ※2020年7月1日発売の『家庭画報』8月号で薬膳ページを担当。7月~9月の3カ月間連載で、『毎日新聞・日曜版』で体に効く料理を紹介。
◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/
◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com
◎ブログ「Eat & Run! 岡尾 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/

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