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公開日:2025.04.14 更新日:2025.04.141009view

自律神経失調と肌あれの深い関係

漢方であなたを応援vol.37「自律神経と肌」

あちこち痒い、小さなブツブツ・・・自律神経の乱れから起きているかも!?
忙しくストレスがたまっている時、理由もなく突然あちこちが痒くなったり、小さな赤いブツブツが肌に現れたりしたことはありませんか?
もしかしたらそれらは、自律神経の乱れから起きた不調かもしれません。

自律神経は、呼吸や体温、血圧、排便、代謝など、生命維持に欠かせない機能を調節する神経です。交感神経と副交感神経がスイッチのオンとオフの役割を担い、体内のさまざまなリズムを調整しています。
自律神経が乱れると、ホルモンバランスが崩れ、免疫力も低下します。肌の細胞が生まれ変わる周期、ターンオーバーも乱れるため、肌あれの症状が現れます。

■ターンオーバーの乱れによる肌あれ
・色素が沈着してシミやニキビ痕が目立つ
・肌がゴワゴワしてくすむ
・肌のハリが減って細かなシワが増える

■バリア機能低下による肌あれ
・肌が敏感に反応し、赤みや痒みがあちこちに出る
・少しの刺激で小さなブツブツがあちこちに出る

■ホルモンバランスの乱れによる肌あれ
・月経前にシミが濃くなる、吹き出物が出やすくなる

自律神経失調に伴う肌あれ
自律神経が乱れている時には、心も身体も過敏になりがちです。ちょっとしたことでイライラしたり、気分が落ち込みます。さらに緊張を緩められず、肩や背中が張って頭痛や息苦しさが生じることもあります。
肌も過敏な状態なので、これまで問題のなかった金属で赤くなる、外に出て花粉や埃が舞うと痒みが出る、少しの気温変化でブツブツと発疹が現れるなど、反応はさまざまです。
急に忙しくなった、悩みが多くて気分が落ち着かない、身の周りに大きな変化があったなど、生活の中にさまざまな変化が起きたら要注意。肌にも変化が現れやすいので、なるべく安定した状態をつくりましょう。

香りの食材でリセット
漢方では香りの食材が体内の滞りを解消する働きがあると考えます。自律神経の乱れを感じたら、ハーブやスパイスを使った料理などがおすすめです。
この時期、春野菜の人参やキャベツは甘く、緊張を緩めてくれます。そこに香りのよいセロリやクレソン、三つ葉などを加えると、気分の偏りもリセットしてくれます。
痒みや小さなブツブツで肌が荒れている時には、いつもの緑茶にカモミールやラベンダーを少量加えて飲むのもおすすめです。肌の炎症を鎮め、こころも落ち着かせてくれます。



敏感な肌を鎮めるために・・・
肌のターンオーバーを取り戻して、敏感な肌を鎮めるために、次のことを意識しましょう。

①生活リズムを整える
・朝、目覚めたら朝日を浴びてリセットしましょう
・食事の時間をなるべく揃えましょう
・睡眠の質をあげるために、日付が変わる前に就寝しましょう
・排便のリズムを調整するために、トイレに行く習慣を作りましょう

②ストレスから解放する
・長時間同じ姿勢で過ごさずに、身体を積極的に動かす
・ストレッチなどで身体を伸ばす
・気分転換に散歩する、お茶を飲む、目をつぶって安むなど工夫する

③肌に別の刺激を与える
・温めたタオルと冷やしたタオルを交互に当てる
・桃の葉やドクダミなど炎症を鎮める入浴剤を使う

漢方薬ではアンバランスな状態を調整する加味逍遙散(かみしょうようさん)や柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)などを用いることがあります。普段、何気なくできることが自律神経を整え、肌の負担を減らす助けになります。せひ意識してくださいね。

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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