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公開日:2021.08.20 更新日:2021.08.202278view

「梨モッツァレラ焼き」でおうち時間をグレードアップ

季節を感じて気軽に薬膳 vol.10

厳しい暑さの峠を越え、秋の虫が鳴き始める「処暑」
二十四節気の処暑、日中の暑さも峠を迎え、日中に駆け抜ける涼風や夕方から聞こえる虫の声に、秋の訪れを感じられるようになる時期です。

季節が替わる時、心身ともに揺さぶられます。
お盆休みを終えて仕事に専念しようにも、何となく疲れが抜けず、やる気も湧きづらくなります。
夜の睡眠をしっかり確保し、短くても昼寝をして消耗を防ぎましょう。

酸味と甘味を兼ね備えた残暑~秋の救世主、梨
これまでもお伝えしてきましたが、この時期に必要な薬膳は、残暑による体内の熱をクールダウンさせることと、汗で奪われ、秋に消耗しやすい潤いを補うこと。
この2つの働きを担うのが旬の果物、梨です。

梨は涼性で、身体の余分な熱を冷まします。
さらに酸味と甘味を兼ね備えているので、潤いを補充するのに最適!

薬膳では「酸甘化陰(さんかんかいん)」といい、酸味と甘味を合わせると陰液(いんえき)すなわち潤いになるという考えがあります。
確かに、梨を噛むと口いっぱいに梨のジュースがあふれますね。

1点プラスで梨の力をアップさせよう!
我が家のある船橋は、梨で有名な土地です。
坂を下ると梨園があり、もぎたての梨をいただくことが出来ます。
そのままでも美味しいのですが1点プラスすることで、残暑から秋にかけての身体を助けてくれる薬膳になります。

ひとつめは蜂蜜。
くし切りにした梨に、蜂蜜をレモン汁、あれば白ワインを少しかけて煮ます。
耐熱皿に入れて電子レンジで加熱しても大丈夫です。

蜂蜜は潤いを補う食材ですから、秋の乾燥対策にピッタリ。
少し作り置きして、食後のデザートにしましょう。

もうひとつはチーズ。
チーズは潤いと栄養である血を養う働きがあります。
残暑の疲れを癒やし、秋に乾燥しやすい肌や髪の調子を整えるのにピッタリ。
レタスや千切りキャベツに、角切りにした梨とチーズを加えてサラダにするのもよいでしょう。

もう少し手を加えた梨モッツァレラ焼きは、おつまみにも最適です。
ひと手間でおうち時間を充実させましょう。

【材料】2人分
梨 1/2個
モッツァレラチーズ 1個(スライスチーズでもよい)
塩・粗びき胡椒 少々

【作り方】
①梨は薄いくし切りに、チーズはちぎっておく。
②耐熱皿に梨を並べ、チーズをのせて塩・胡椒をふる。
③オーブントースターで5分ほど、焦げ目がつくまで焼く。

【薬膳食材メモ】
梨:涼性/酸味・甘味
 鼻やのどの乾きを癒し、全身を潤す
蜂蜜:平性/甘味
 元気を補い、腸や肌の乾燥を防ぐ
チーズ:平性/甘味・酸味
 血を補い、全身を潤す

齋藤 友香理
齋藤 友香理 - Yukari Saito[薬日本堂漢方スクール講師・薬剤師]

1969年北海道生まれ。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務めていた。多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。講師となった現在、薬日本堂漢方スクールで教壇に立つかたわら社員教育にも携わり、「養生を指導できる人材」の育成に励んでいる。分かりやすい解説と気さくな人柄で、幅広い年齢層から支持されている。

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