春キャベツのザワークラウト

活動の季節は「気」を補うことが重要

梅雨入り前の5月は、一年の中でも過ごしやすいシーズンのひとつ。初夏の気持ちのいい日差しのもと、スポーツやアウトドアを楽しむ人も増えてきます。4月から新生活をスタートさせた方も、そろそろ環境に慣れ、アクティブに活動したくなるのではないでしょうか。
二十四節気では、5月5日は「立夏」。暦の上では、もう夏に入ります。「体と自然は一体である」と考える中医学の古典によると、夏は万物が生長する季節。適度に汗をかいて、陽気を気持ちよく発散させることがよいとされています。日本は、陽気の高まる夏に梅雨を迎えるので、梅雨入り前にたっぷり体を動かしておきたいですね。

体を動かすために不可欠なのは、エネルギーをつくる「気」。気が足りないと、消化機能が低下し、栄養をつくる力や体のすみずみに届ける力が虚弱になります。これが、いわゆる「気虚(ききょ)」の状態。気虚が進むとスタミナがなくなり、疲れやすくなるのです。
特に、春に環境が変わり、生活が一変した方は要注意。環境の変化がストレスとなり、自分でも気づかぬうちに、心と体に負担がかかっているかもしれません。ストレスが原因で、消化機能をつかさどる五臓の「脾」が弱まり、気虚が進行する恐れも。過ごしやすい今こそ、おなかの調子をよくする養生が重要になるのです。

キャベツに発酵のパワーをプラス

消化機能の強化に積極的にとりたい食材はキャベツ。薬膳においてキャベツは、脾胃に気を与え、疲れや消化不良などによいとされます。今回の薬膳常備菜は「春キャベツのザワークラウト」。今が旬の春キャベツをたっぷり使い、塩だけで少し酸っぱくなるまで漬け込み、洋風の漬物にしました。
ポイントは、1週間以上しっかり時間をかけて漬けること。時間をかけることでキャベツが乳酸発酵し、少し酸味が出てきます。これが、この料理の最大の特長。気を補うキャベツと植物性乳酸菌を一緒にとれるので、さらに消化機能を助ける効果を期待できるのです。

失敗しないコツは、漬けるときに空気をしっかり抜くこと。
私は、塩でしんなりしたキャベツを、密閉できる保存瓶にギュウギュウ詰めにしていますが、漬物器を使ったり、密封できるチャック付きの袋を使うのもよいでしょう。
キャベツは、最低でも1/2個使うこと。たっぷりのキャベツで漬けるほうが発酵に勢いがつきます。1か月程度日持ちするので、たくさん作って、毎日、もりもり食べてください!

出来上がったザワークラウトは、特に肉料理の付け合わせにぴったり!
ゆでたソーセージに合わせたり、ホットドッグやサンドイッチに使ったりと便利に使えます。また、ベーコンや豚肉と一緒に煮込んでも美味。おなかの健康のために作り置きしておけば、お料理のレパートリーも広がりますよ。

【材料】(つくりやすい最低限の分量)
・キャベツ…500g(約1/2個)
・塩…12g
・ローリエ…1枚
・粒こしょう(黒・白)…各10粒程度
・鷹の爪…1本

【作り方】
①キャベツは千切りまたはざく切りに。ボウルにキャベツと塩を入れて軽くもむ。
②しんなりしたキャベツと、ローリエ、粒こしょう、鷹の爪を、
 汁ごと保存瓶にギュウギュウ詰めにしてフタをする。
*漬物器や漬物石がある型は、それを使ってください。
 キャベツが汁にしっかり浸かるので、失敗しません。
③約1週間以上常温におき、発酵させる。

【薬膳食材メモ】
キャベツ:気を補い、脾胃の働きを助ける。疲れ、胸やけ、胃痛、食欲不振などに。

酸っぱくなったキャベツは煮込み料理にも使えます。ソーセージと煮込めば、本場ドイツの味わいに。

岡央知子 - Tomoko Okao
漢方養生指導士(漢方上級スタイリスト)、国際中医師、国際薬膳師。美容・健康をテーマに美容・健康エディターとして仕事をする中で東洋医学に関心をもち、漢方、中医学、薬膳を学ぶ。雑誌やラジオ、イベントなどを通じて、美容と健康のための薬膳や養生についての啓発活動を行う。著書に『美★薬膳』(主婦と生活社)がある。
現在「食べて学べる月イチ薬膳教室@TUMUGU東京青山」開催中。詳細は「TUMUGU東京青山」で検索を!「FYTTE Web」にて「不調知らずの体になる! 季節の薬膳レシピ」連載中。
◎薬膳教室:「TUMUGU東京青山」http://www.tumugu-aoyama.jp/
◎HP:「薬膳ノート」http://www.yakuzennote.com
◎ブログ「Eat & Run! 岡央 知子の美・薬膳な日々」http://ameblo.jp/yakuzen-navi/