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公開日:2014.10.01 更新日:2018.09.142974view

目からウロコ!陰陽論で実感、からだと繋がる自然のサイクル 

女性にやさしい漢方コラム(5)

「早起きは三文の徳」。母がずっと言い続けていた言葉のなかで、今でも忘れないのがこの言葉。夜型はなぜ体に悪いのか?早く起きると何が良いのか?この理由を理解し、実際にその影響が身体に現れて、初めて生活を変えようと思うものです。ずっと夜型だった私が早寝早起きするようになったのは30歳を超えてからでした。

 生活サイクルの大事さを教えてくれたのは陰陽論。長年の夜型生活により、前より快便でなくなったことに気がつきました。

 女性の悩みで多いのが便秘などの「便」の不調。便は体の中のデトックスがきちんとできたお知らせ。実は、そのお便りが届く時間は決まっています。あなたの「お便り」はいつも決まった時間に届いていますか?今回は「なぜ朝型生活が身体にいいのか?」と「便が出る理想の時間」についてお話します。

 冬が近づくと日の出が遅くなり、日が暮れるのも早くなります。1日の中で太陽と月が入れ替わるように、活動と静寂のエネルギーも入れ替わります。この自然の変化を「陰陽論」といい、地球のエネルギーを受けて生きる私たちは「自然の一部である」と捉えます。
実は、私たちの身体にも自然のサイクルに合わせた変化が起こっています。日中に活動した身体は夕方を過ぎると、活動することで汚れたものをデトックスする時間に入ります。活動せずに静寂=リラックスして過ごし、熟睡することが身体のメンテナンスとなるのです。
月が夜空に輝く21時以降は活動を控え、心身ともにリラックスをし、23時までに熟睡することで身体のデトックスを上手に行うことができます。夜の間に行われるこのメンテナンスは、汚れたものを外に出すことで完了します。それが朝の「排便」。

朝の5時〜7時の間は大腸に気血のエネルギーが集まる時なので排便が促されます。これを知ってから、毎朝便がでるかどうかを心待ちにするようになりました。寝ている間に身体の中をキレイにお掃除してくれた内臓に感謝して、目覚めたらすぐに白湯を飲み、水分補給をしてあげましょう。便がでやすくなります。

 そして朝の7時〜9時は胃腸の消化吸収力が上がる時間です。7時までにデトックスを完了させて、その日のエネルギー補給のため朝食を摂り、活動を開始する。そしてまた夜には一日活動した身体をメンテナンス。こんなふうに自然とつながる生活をしていると、自然の力が背中を押してくれるようで、毎日軽やかに活動することができます。そして身体は故障することなく、心身ともに健康でいられます。
朝の「排便」は、自然とつながっているサインだと私は感じています。太陽とともに活動し、月とともに身体を休める。シンプルな生活を送る大切さと、快適さを陰陽論が教えてくれました。何気なくやっていることに理由を見いだせる面白さが漢方にはあります。この楽しさを知ると、もう漢方ライフを辞められなくなります。

天野 賀恵子 - Amano Kaeko
[ 薬日本堂漢方スクール講師、国際中医師・国際中医薬膳師・漢方スタイリスト ]
富山大学経済学部卒業後、化粧品メーカー、語学学校、サロン経営の仕事を経て、北京中医薬大学日本校で国際中医薬膳師、上海中医薬大学日本校で国際中医師のライセンスを取得。東洋医学と西洋医学を折衷させた病院で、食事、運動、精神ケアなどの健康指導に従事。当校にて漢方養生指導士養成講座、ワンデイセミナー「からだ巡らせ漢方ヨガ」などで活躍中。

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