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公開日:2014.09.01 更新日:2020.05.225284view

乾いたからだを潤す保湿対策【百合根の焼売、雑穀とろろご飯】

簡単薬膳レシピ(3)

まだまだ暑さが続きますが、朝晩は涼しさが増してきましたね。
秋は乾燥の季節です。夏の暑さでたくさんの汗をかき、そのまま体に潤いを補充していないと、
木枯らしが吹く頃には、空咳が出てきたり、お肌の乾燥や便秘に繋がってしまいます。
今のうちに、しっかり身体を潤す食養生を心がけましょう。

今回は、体を潤す薬膳ごはんをご紹介します。
まず一品目が、「百合根の焼売」です。百合根は体を潤す働きがあります。
生の百合根が野菜売り場に出回るのは、11月〜3月の短い期間のみです。
ここでは、乾燥百合根を使用します。(中華食材屋、漢方専門店などで手に入ります。)
焼売のアクセントには、こちらも身体を潤す働きのある白胡麻を使います。
味がしっかりついているので、何もつけずにお召し上がり頂けます。

◎百合根
「百合(びゃくごう)」という生薬として漢方薬にも使用されている食材です。
肺につながるのどを潤すので、空咳などにも有効です。
また、漢方では肺と肌は関連が深いと考えるので、肌の乾燥にもおすすめです。

◎白胡麻
肺・脾・大腸を潤すので、肌の乾燥や便秘の解消に良い食材です。
手軽に取り入れられる食材なので、ごはんやおかずにかけるなど、身体の乾燥が気になる際は、
積極的に摂り入れましょう。

〈百合根の焼売レシピ〉
■ 材料(24個分)
・ 百合根(乾燥):大さじ2
・ 鶏胸挽き肉:250g
・ 玉ねぎ:1個
・ にんにく:1片
・ 焼売の皮:24枚
・ 白胡麻(すりつぶし):小さじ2
・ 塩:小さじ1/2
・ 塩麹:小さじ1
・ しょうゆ:小さじ1
・ オイスターソース:小さじ1/2
・ ごま油:小さじ1/2
・ 片栗粉:適量

■ 作り方
1. 百合根は水に漬け一晩冷蔵庫に入れて戻し、茹でて粗くつぶしておく。
2. 鶏挽き肉と塩麹を合わせておく。玉ねぎをみじん切りにし、塩小1/2と合わせ2分程置く。
ふきんで玉ねぎを包み、水気を絞る。ニンニクをみじん切りにする。
3. 1、2をボウルに合わせ、しょうゆ、オイスターソース、ごま油を加え混ぜる。
4. 3を焼売の皮で包み、蒸し器で10分蒸したら頂きます。

二品目は「雑穀とろろご飯」です。
とても簡単な、ごはんにとろろをかけるだけのご飯です。
でもこれが、体に元気を与えつつ、潤してくれるメニューなのです。
雑穀には、「補気」といって、体にエネルギーを与えてくれる力があります。
山芋は生で食べると、体を潤す働きがあります。
夏で消耗された体にエネルギーを補いつつ、潤しましょう。
私は家でご飯を炊く際は、ほとんど、白米+雑穀10種ミックスを混ぜて炊いています。
数種類の雑穀がブレンドされて売っていますよね。それです。
それをベースに、更にその時足したい雑穀を足しています。
雑穀は、ミックスのものと別に、個別でも保管して都度使えるようにしています。
今回は、夏のほてりを取り除く働きのある「あわ」を加えました。

◎山芋
脾・肺・腎3つの気・陰を養うので、養生にとても適している食材です。
疲れがたまって来たと感じたら積極的に食べましょう。
すり下ろしたり生で食べると身体を潤す働きが強く、煮たり焼いたり、火を通して食べると元気がつきます。身体の調子に合わせ調理方法を変えて摂りいれて下さい。

〈雑穀とろろご飯レシピ〉
■ 材料(2人分)
・ 白米:3合
・ 雑穀10種ミックス:大さじ3(10種合わせた状態で)
(黒米、押麦、丸麦、炒り大豆、炒り黒豆、アマランサス、たかきび、きび、あわ、ひえ)
・ あわ:大さじ1
・ 山芋:10cm
・ だしつゆ:好みでとろろに足して下さい。

■ 作り方
1.白米をとぎ、水量を少し多くして、雑穀を加え、玄米モードで炊きます。(白米モードでも炊けますが、玄米モードの方がよりふっくら炊きあがります。胃腸が強くない方には、玄米モードの方をおすすめします)
2.山芋をすります。好みでだしつゆを少量加えます。
3.炊けたご飯に、2のとろろをかけて頂きます。

市川 三弓
市川 三弓 - Miyumi Ichikawa

漢方スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、ハーバルセラピスト、フードコーディネーター。一児の母。自身の体調不良をきっかけに漢方・薬膳を学ぶ。肉親の病も薬膳でサポートし克服。飲食店舗での薬膳イベント開催や薬日本堂でのセミナー講師を経て、現在は子供向けの薬膳を日々研鑽中。

◎レシピ協力
『薬日本堂の漢方で体をととのえる穀菜食』(主婦の友社)
『はじめての漢方ライフ 薬膳レシピ&食材べんり帳』(主婦の友社)
◎子供のご飯記録:https://www.instagram.com/ikumeshi2017

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