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2017.12.041669view
飲んでよし、塗ってよし。体にやさしい田七人参とは

生薬の豆知識 田七人参とは!?

田七人参(以下田七)をご存知ですか?日本では、高麗人参に比べるとあまり知られていないと思われます。
田七は「人参」の仲間で、外見も味も高麗人参に似ています。中国では一般的に「三七」の名前で広く一般に知られています。一株に三本の茎があり、そこに七枚の葉がつくことからこう呼ばれています。
田七は、中国の雲南省が原産のウコギ科の植物で、根と花が生薬として使われます。大きくなるまでにおよそ6年かかり、大量生産できないので、かつては「金不換(お金に換えられない)」と呼ばれるほど貴重なものとされてきました。
田七にはどんなはたらきがあるのでしょうか?説明する前に、私と田七について話しをさせてください。

私と田七人参
私にとって田七といえば、子供の頃に走って転んで手足を怪我した時に、母が傷口に田七粉をかけてくれて、すぐに血が止まったという記憶があります。大学時代、中薬(生薬)学の教科書には「三七」という名前で載っていて、授業中に先生が、「田七には“止血”と“活血(血流をよくする)”の全く逆のはたらきがあります」、「出血に使いますが、滞りを生じません」とおっしゃるのを聞いて、なんと便利なものだろう!と驚いたものです。
中国では「雲南白薬」「片仔廣」といった有名処方に主成分として配合されています。「雲南白薬」は実家の常備薬でした。家の薬箱の匂いが、この薬の匂いになっている印象が深くあります。

1980年代から、それまで主に外用で使われてきた田七は、胃潰瘍による胃の出血や吐血の治療で使ったことが発表されると、内臓の出血治療に使われるようになりました。そこから医療現場で治療に役立つとともに、一般での使用も広がっています。

そして現在。一年ほど前から、加齢とともに瘀血(血液の流れが悪い状態)があらわれて、唇の色が暗くなってきました。年を重ねれば自然に起こることだとしても、そのスピードは遅らせたいものです。お土産でいただいた「三七粉」を飲み始めて、朝食の豆乳や牛乳に混ぜて今も毎日続けています。田七は高麗人参の仲間なので、ゴボウのような、苦くて少し甘い味がします。薬膳では、田七を刻んだものを鶏肉や豚肉と一緒に煮込んだり、粉にしたものを卵と炒めたりします。粉は空腹時に飲むと吸収率がよいとされています。

今年の1月に帰省した際に、常備薬として「雲南白薬」の錠剤、湿布、液体の塗り薬を買ってきました。いざというときにこれさえあれば大丈夫!

田七人参の効能と応用
このように、子供の頃から現在まで、私と関係の深かった田七。どんなはたらきがあるか、どのように使ったらよいかを説明しましょう。

田七は温性で、温めるはたらきをもち、「肝」と「胃」に効きやすいとされています。肝は気のめぐりをよくし、血の貯蔵や量の調整、消化を助けるなどのはたらきがあります。肝および胃のトラブルにもっとも使われています。高麗人参の仲間ですが、滋養のはたらきが穏やかで、ほてりや血圧上昇があらわれにくいのが特徴です。

用量:目安 粉は1.5g~3.0g/1回 一日1回~2回

効能:化瘀止血、消腫止痛
内服・外用のいずれにも使うことができます。
①血流をよくします。瘀血によるシミ、クマ、神経痛、関節痛、生理痛など各種の痛みに使います。瘀血による子宮筋腫などの内臓の腫瘍にも。

②止血のはたらきがあり、外傷による出血、内出血いずれにも使います。喀血、鼻血、吐血、血尿、血便、不正出血、出産後や流産の後など。止血しますが、血流をよくするはたらきがあり、瘀血を起こしません。

③打撲・骨折などによる腫れ、ものもらい、おできや床ずれなどの皮膚の腫れや痛みに。

注意事項:現在、副作用についての報道はあまり見かけませんが、妊娠中、生理中は量を控えめに、飲みすぎないように注意しましょう。

「金不換」と言われてきた田七人参ですが、日本では健康食品として手に入りやすくなってきました。今まで日本ではあまりなじみがなかったので、これを読んだみなさんに健康に役立てていただければ嬉しいです。

劉 梅 –リュウ・メイ
[中医師 ・薬日本堂漢方スクール専任講師]
中国黒龍江省生まれ、黒龍江中医薬大学卒業後、ハルビン医科大学付属二院に内科医として臨床を経験。1994年に来日、北海道大学医学部客員研究員を経て、2001年、薬日本堂に入社。薬局勤務の傍ら漢方相談員の指導・育成に参加、TV・雑誌でも活躍する。主な著書『中国の女医さんが教えるおいしくて身体にいい中華』『病気・症状を改善 これならできる漢方ごはん』。

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