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2017.11.01634view
菊花は目の充血と痒み、のどかぜ、頭痛やめまいに

生薬の花めぐり(7)

「生薬の花めぐり」へようこそ!
このコラムでは、生薬の花を通して、気軽に生薬のことを知り、毎日を豊かにするために、台所や公園でよく見る植物で生薬になるものの中から紹介しています。前回まで百合牡丹などの花を紹介しましたが、今回は菊花の登場です。どうぞお付き合いのほど、よろしくお願いします。

菊花といえば、思い出すのは刺身や酢の物でしょうか?日本では観賞用として親しまれていますが、中国では古くから生薬として使われており、お茶に入れて飲むのも一般的です。この写真は2011年11月3日新宿御苑の菊花展で撮ったものです。

菊花の歴史
菊花は吉祥、長寿の象徴です。中国原産、キク科キクの頭花で、生薬として2000年以上の栽培の歴史があります。薬用の道地薬材6月1日【芍薬】の記事を参照)としては、最高品質の亳(はく)菊、滁(じょ)菊があります。貢(こう)菊と杭(こう)菊はお茶や飲み物を中心に使われています。香料や、乾燥菊花で枕を作ったり、入浴剤にも使われています。

菊花が入った漢方薬
菊花は辛み、甘みと若干の苦みをもち、体を少し冷やすはたらきがあります。漢方の考え方では、肺と肝の不調、以下のような症状のあるときに使います。
①のどかぜの初期の発熱やのどの腫れと痛みに。②ものもらいのような炎症、化膿を伴うときに。③普段より血圧が高く、怒りやすい、顔が赤い、めまい、頭痛が同時に出たときに。④過労や夜更かし、スマホやパソコンの使い過ぎで目の充血、かすみ、痛みのあるときに。
漢方薬では杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)、釣藤散(ちょうとうさん)などに含まれています。

杭菊花
10月末から11月上旬に花が咲く杭菊花は、広く知られています。写真は2013年11月6日東京都薬用植物園で撮ったものです。しっかり開いた花を採集し、加熱して乾燥させて薬用、お茶、薬膳酒、料理などに使います。一般に、白は苦味が強く目の充血に、黄色は辛く発散の力が強いので、かぜに使います。

お茶として飲むには
菊花2~5gを目安に、熱湯200ccを加え、3~5分置いてからお茶として飲みます。味がなくなるまで飲めます。症状に合せて配合を工夫してみましょう。


  1. 1.菊花と薄荷茶
    のどかぜ、目の充血と痒みが同時に出たときに、薄荷2~3g。

  2. 2.菊花と决明子茶
    ほてり、頭痛、めまいには、炒决明子(焙煎ハブ茶)10g。

  3. 3.菊花と枸杞(クコ)茶
    ドライアイ、視力低下、疲れ目には、枸杞10g。

  4. 4.菊花と山査子(サンザシ)茶
    肥満には、山査子のスライスか刻み5~10g。

  5. 5.菊花と白キクラゲ茶
    咽の渇きには、白キクラゲ2~5g。

  6. 6.菊花と金銀花茶
    赤いニキビ、皮膚やのどの化膿には、金銀花2~5g。


注意!冷える季節、胃腸が弱くて冷えやすい方、体が冷えやすいときは、クコやナツメなどを合わせましょう。菊花による冷えを緩和します。

食用菊花
食用菊花は、薬用のはたらきには及びませんが、香りが良く、気分スッキリ、目やの
どの腫れやほてりなどによいとされています。生の菊花の使い方は以下をご参考ください。


  1. ① 野菜サラダに混ぜる。あるいはリンゴや梨の千切りと果物サラダに。

  2. ② 鍋料理、スープ、煮物、炒め物に。お粥の場合は出来上がる3分前に入れるとよい。

  3. ③ 菊花を潰して、紹興酒や日本酒と合わせて。分量はお好みで。


苦味が魅力の菊花を身近に感じていただけたでしょうか。

次回は「タンポポ」の話題をお届けします。お楽しみに!

劉 梅 –リュウ・メイ
[中医師 ・薬日本堂漢方スクール専任講師]
中国黒龍江省生まれ、黒龍江中医薬大学卒業後、ハルビン医科大学付属二院に内科医として臨床を経験。1994年に来日、北海道大学医学部客員研究員を経て、2001年、薬日本堂に入社。薬局勤務の傍ら漢方相談員の指導・育成に参加、TV・雑誌でも活躍する。主な著書『中国の女医さんが教えるおいしくて身体にいい中華』『病気・症状を改善 これならできる漢方ごはん』。

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